伊豆市
香を焚くという設計 — 客の到着前に薫りを置く高級旅館 5 軒
空薫・聞香・伽羅。客が暖簾をくぐる前に焚き染められる一筋の薫りを、建築と所作の延長として読み解く五軒。京都2・伊豆2・群馬1、いずれも自社サイトで予約が完結する名門。
陰翳を残す宿 — 谷崎が惜しんだ薄暗がりを、現代の照明計画はどう設計し直すか
明るさを足し続けた近代照明への反動として、あえて照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光計画でどう設計し直すか、べにや無何有・あさば・俵屋旅館の三軒を例に論じる。
あさば — 修善寺、能舞台を池に浮かべる数寄屋宿の構造を読む
修善寺・あさば。約六百坪の池に能舞台「月桂殿」を浮かべ、十七室の数寄屋を水へ向けて開く。一軒を構造から読み解くdeep_dive。
水風呂と外気浴を建築として読む宿 5軒 — 温冷交代を、湯屋の動線に組み込むという設計判断
サウナから水風呂、外気浴へ。整うための往復を、設備ではなく湯屋の動線として設計した宿を5軒。隈研吾の数寄屋から文化財に挿入された茶室サウナまで、温冷交代を建築として読み解く。
茶請けという余白 — チェックイン直後に供される一服を、宿はどう設計するか
客を客室に通したのち、夕食までのあいだに供される一服の茶と甘味。京都・俵屋旅館と伊豆・修善寺のあさば、二つの老舗を手がかりに、滞在の最初の余白を宿がどう設計しているかを観察する。
聚楽壁と版築 — 浴室の壁に土を塗るという、湿度との闘いを建築の側から読む
湿度100%に近づく浴室で、なぜ宿は壁に土を塗るのか。聚楽壁・大津磨き・版築の三系統を、あさば・山荘 無量塔・おやど 二本の葦束を手がかりに読む建築エッセイ。
南会津・檜枝岐から尾瀬の麓まで — 福島の山あい、室数10以下の山宿 5軒
梅雨入り直後の宿で実体として鳴る音は、川音でも風でもなく、軒先と樋から落ちる雨である。新井旅館・富士屋ホテル・奈良ホテルを引きながら、雨を受ける建築装置を建築語彙で読む短文エッセイ。
紫陽花の咲く庭を持つ高級旅館 5軒 — 梅雨という滞在を、植栽計画から読む
鎌倉・伊豆・吉野・松江・会津の高級旅館5軒。紫陽花の咲く庭園と植栽計画を読み解き、梅雨という滞在の質を問い直す。
「訪れにくさ」という価値 — 鉄道駅から 90 分の宿を選ぶということ
鉄道駅から車で 60 分以上を要する宿が、なぜ 30–50 代の上質層に選ばれるのか。乗鞍高原 ベルグハウス、海のしょうげつ、アルカナ イズの 3 軒を社会学的観察の語彙で読み解く論考。
左官という建築の言語 — 大津磨き・聚楽・漆喰・土佐漆喰・版築を、宿の壁で読む
大津磨き、聚楽、漆喰、土佐漆喰、版築 — 高級宿の壁に残る左官仕上げを、職人の手の量と施工面積の数字とともに、建築史的な距離から読み直す。