千代田区
屋上庭園を持つ都市プレミアム宿 5軒 — タワー上層に土と樹を載せるという、垂直の外構設計
都心の頂に土と樹を載せるという、垂直方向の外構設計。東京・大阪の再開発タワー上層に屋上庭園を持つ都市プレミアム5軒を、初秋の空気感とともに読み解く。
茶室を擁する都市プレミアム宿 5軒 — 高層の客室帯に、四畳半の静寂を挿すという設計判断
都市のプレミアムホテルが客室帯に挿す、四畳半の静寂。帝国ホテル 東京「東光庵」など、館内に本格茶室・数寄屋を擁する東京・京都・大阪の5軒を、垂直動線に露地を翻案する設計判断として読む。
皇居外周を歩く宿 5軒 — 大手町・丸の内・半蔵門、内堀通りに面した都市プレミアムの客室から東京を読む
皇居の内堀通りに沿って並ぶ都市プレミアム5軒を、江戸城の地形が客室の高さと開口をどう規定するかという視点で読み解く。和田倉濠に低く構えるパレスから大手町タワー最上部のアマンまで。
執務の合理が宿になるとき——戦後オフィスビル転用ホテルの設計論
事務所として建てられた建物が、宿になる。旧庁舎や蔵、廃校の転用がしばしば「記憶の保存」として語られるのに対し、戦後のオフィスビルを宿に変える行為は、もっと即物的で、もっと設計論的である。基準階という反復の単位、執務のためにとられた天井高と窓割、平面の中央にすわるエレベーターコア。それらは情緒ではなく、寸法として残る。本稿は、その寸法が滞在空間にどう翻案されるのか、利と制約の両面を、東京で稼働する二軒の転用ホテルを引きながら、設計の文法として読み解く試みである。販売の言葉ではなく、図面の言葉で考えたい。 本稿の論点 戦後オフィスビルの転用は「記憶の保存」ではなく、基準階の寸法を客室へ翻案する設計行為である 執務空間の柱割と窓割は、客室の間口・奥行き・採光を直接規定する 中央コア型の平面は中廊下を生み、片側客室の採光と動線を縛る 事例: トーセイホテルココネ上野(126室、鉄骨造11階、2018年開業)と同神田(111室、2017年開業) 転用の質は、不揃いを欠点として消すか、客室タイプの多様として受け止めるかで分かれる 最終更新: 2026年6月20日 基準階という前提を読み替える オフィスビルの設計は、反復を前提とする。賃貸面積を最大化するために、同じ柱スパン、同じ階高、同じ窓割が上階へ向かって積層される。この反復の単位が「基準階」であり、事務所建築の合理はここに集約される。柱は等間隔に並び、設備は天井裏に隠され、窓は均質に切られる。執務にとっては美徳であるこの均質さが、宿への転用では最初の与件になる。 宿は本来、反復を嫌う。眺望のいい角、静かな最奥、湯のある一室——滞在の価値は差異から生まれる。ところが基準階の図面には差異がない。設計者の仕事は、そこから差異を彫り出すことになる。柱割の間に間仕切りをどう落とすか。窓ひとつ分を一室にあてるか、一室半にあてるか。中央のコアをどう迂回させて廊下を通すか。新築なら自由に決められる寸法が、転用ではすべて「既にある柱」から逆算される。設計とは、ここでは創造というより翻訳の作業に近い。 その翻訳の精度が、滞在の質を分ける。柱を客室の隅にうまく落とし込めれば、室内は素直な矩形になる。落としどころを誤れば、ベッドの脇に柱型が突き出し、家具の置き場を奪う。事務所では誰も気に留めなかった構造体が、宿では身体のすぐ横に立つ。転用ホテルを歩くと、設計者がこの一本の柱とどう交渉したかが、客室の居心地として読めてしまう。 トーセイホテルココネ上野 — 東京・東上野 中古オフィスを転用した鉄骨造11階。柱割の不揃いを、客室タイプの多様として引き受けた一軒。 Media Picks Score: 92 / 100 126室、宿泊主体型ホテル(オフィスビル転用)。 PHOTO: トーセイホテルココネ上野…
垂直の余白——高層クラブラウンジを建築として読む
都市プレミアムホテルが最上部に積む「使わない高さ」。専用エレベーターで隔てたクラブラウンジを、床面積・階数・開口の向きから建築として読む。三軒を参照する編集エッセイ。
フォーシーズンズホテル丸の内 — 全面改装で57室に絞り直す、密度で競う都心ラグジュアリーの設計を読む
2026年4月、全57室とロビーを全面改装して再開業した丸の内のフォーシーズンズ。アンドレ・フー設計のもと、増室せず一室あたりの密度で上質を測る都心ラグジュアリーの設計図を読む。
フォーシーズンズホテル丸の内 東京 — 全面改装で57室に絞り直す、密度で競う都心ラグジュアリーの設計を読む
2026年4月、客室を57室に絞り直して再開業した丸の内のフォーシーズンズ。アンドレ・フーが描いた全面改装を、規模ではなく一室あたりの密度という設計の論理から読み解く。
明治・大正期の洋館ホテル 5 軒 — 富士屋・日光金谷・東京ステーションまで
1873年創業の日光金谷から1915年完成の辰野金吾設計・東京ステーションホテルまで。登録有形文化財・重要文化財に指定された原建築を今も使う 5 軒を建築史の軸で並べる。