岐阜県
灯りを落とす時刻を決める宿 — 消灯という運用が、隠れ宿の夜をどう設計するか
宿が能動的に暗さを作る、という運用がある。共用照明を定刻で落とす、屋外の常夜灯を最初から置かない、外光を遮る建具を昼から閉じる。設備ではなく、判断としての「暗さ」だ。夜空を見せるため、静けさを守るため、あるいは他の客の眠りを損なわないた…
石場建てを継ぐ宿 3軒 — 基礎に緊結せず礎石の上に柱を置くという構法を、客室に残すという判断
礎石の上に柱を置く伝統構法「石場建て」を、客室の風景として残した古民家再生宿 3 軒を、建築構法の視点から読む。NIPPONIA 美濃商家町(岐阜・6室・Score 93)、NIPPONIA 小菅 源流の村(山梨・4室・Score 91)、古民家宿るうふ 織之家(山梨・1室・Score 89)。
欄間彫刻を継ぐ宿 5軒 — 鴨居と天井のあいだの一枚に、透かし彫りと組子を彫るという意匠
鴨居と天井のあいだの一枚に、宿の設計思想が凝縮する。京都御三家から下呂の登録有形文化財まで、欄間の意匠を継ぐ5軒を編集部が読み解く。
露地を通す宿 5軒 — 玄関から客室までを一本の茶庭として歩かせる、市中の山居という設計
京都と飛騨高山で、玄関から客室までの動線を一本の露地として歩かせる数寄屋・古民家の宿5軒。飛石・蹲踞・延段の素材から、市中の山居という設計判断を読む。
飲泉場を構える宿 — 湯に浸かるためでなく、口に含むために設けられた湯口の小建築 3軒
許可を得た源泉だけに認められた飲泉場という小建築。浴場とは別の論理で寸法が決まる「飲む湯」の湯口を、三朝・下呂・四万の登録有形文化財級の宿3軒から読む essay。
囲炉裏を客の卓に据える高級旅館 5軒 — 火を囲んで食べるという、卓上の熱源を読む
囲炉裏を客の食卓そのものに据える高級旅館を、奥飛騨・福地温泉を中心に5軒。卓上の生火という滞在の核を、煙や灰の扱いという裏側の設計まで含めて読む。
同じ湯屋が時間で姿を変える——男女入替を建築から読む三軒
男女入替は設備運用であると同時に、非対称な浴場建築を前提とした設計判断でもある。眺望・湯舟・動線が異なる二浴場を、入替の時刻がどう束ねるのか。湯田中よろづや・草津奈良屋・下呂水明館の三軒を、運用を建築の側から読むエッセイ。
飛騨高山・古い町並みから江名子へ — 城下町の奥に潜む室数12以下の小宿 5軒
飛騨高山の古い町並みから一歩外れた江名子・天満町界隈に佇む室数12以下の小宿5軒。築百年の古民家、4室の料理旅館、町家一棟貸し、森のオーベルジュなど、観光動線の表通りから距離を取る宿を編集部が選んだ。
茅葺と合掌、屋根の構造で選ぶ高級旅館 5 軒 — 飛騨から南会津まで
飛騨と白川郷を中心に、美山と庄川峡まで広げた屋根構造で選ぶ高級旅館 5 軒。合掌・茅葺・入母屋・古民家移築を併置し、初夏に屋根を見上げる旅程を組む。