飛騨高山の古い町並みを一歩外れる。本記事は、宮川の東側、城下町の格子の奥、江名子川沿いから江名子町・天満町の傾斜地まで、観光動線の表通りから離れた室数12以下の小宿を5軒選んだ。出梁造りや囲炉裏、坪庭を抱える静かな構成。梅雨明けから盛夏にかけての飛騨は、夕刻の風が立ち、宿の縁側で時間が止まる。

# 宿 エリア Score 室数 目安価格 1行特徴
1 百年古民家いろり宿 飛騨屋 高山市西之一色町 95 6 ¥40–¥57k 築100年超の古民家、客室に囲炉裏
2 オーベルジュ 飛騨の森 高山市新宮町 94 7 ¥44–¥59k 森の中の一棟、貸切風呂と伊料理
3 料理旅館 こまくさ 高山市岡本町 94 4 ¥37–¥44k 4室のみ、郷土料理の小料理旅館
4 K’s Villa 飛騨庵 高山市花川町 92 4 ¥40–¥55k 飛騨の匠の町家を一棟貸し
5 おやど楽 高山市江名子町 91 9 江名子町の高台、北アルプス遠望
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目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. 百年古民家いろり宿 飛騨屋 — 高山市西之一色町

築百年超の古民家を移築再生した6室の宿。客室に囲炉裏が切られているという、現代では稀な造作が残る一軒。

Media Picks Score: 95 / 100  6室、古民家旅館。

目安価格 ¥40,000–¥57,000 / 泊 (2名1室・通常期)


百年古民家いろり宿 飛騨屋 — 飛騨高山・西之一色町、囲炉裏のある古民家旅館
PHOTO: 百年古民家いろり宿 飛騨屋 — 公式サイトを見る

なぜ選ばれるか

高山駅から車で6分。表通りから外れた西之一色町の傾斜地に、築百年超の古民家を移築して建つ。客室は和室、それぞれに囲炉裏が切られ、座面の低い空間構成が古民家本来の生活動線を保つ。大浴場には檜の湯船が据えられ、源泉ではないが温泉水を引く。1泊2食、夕食は飛騨牛と山菜を中心とした囲炉裏料理。表通りの賑わいから完全に隔絶された立地で、城下町の周縁にあえて残る古い時間軸を読みとれる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計したところ、囲炉裏のある客室・建物の重厚さ・料理の郷土性に対する評価が集中して観察された。一方で、古民家ゆえの段差や階段、夜間の静けさは賛否が分かれる傾向。立地は駅から離れるため、公共交通だけで動く旅程との相性は低い。逆に、車で飛騨地方を巡る旅程の核として据えた場合の評価は高い。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    古民家建築と囲炉裏の生活美に関心がある層、車で飛騨地方を周遊する旅、料理の郷土性を重視する大人2人の旅
  • 向かない:
    公共交通のみで動く旅程(駅から徒歩圏外)、段差・階段が負担になる旅、洋食中心の食を望む旅

具体情報

  • 最寄り駅: JR高山駅から車で約6分(送迎要相談)
  • 客室数: 6室(全室和室、囲炉裏付き)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • 食事: 1泊2食、囲炉裏を囲む飛騨牛・山菜料理
  • 建物: 築100年超の古民家を移築再生

2. オーベルジュ 飛騨の森 — 高山市新宮町

古い町並みから西へ車で10分、丘陵の森に建つ7室のオーベルジュ。2022年リニューアル、夕食はイタリア料理、貸切風呂で完結する。

Media Picks Score: 94 / 100  7室、オーベルジュ。

目安価格 ¥44,000–¥59,000 / 泊 (2名1室・通常期)


オーベルジュ 飛騨の森 — 高山市新宮町、丘陵の森に建つ7室のオーベルジュ
PHOTO: オーベルジュ 飛騨の森 — 公式サイトを見る

なぜ選ばれるか

古い町並みの西側、新宮町の丘陵に建つ。2022年に大幅リニューアル、館内は全面禁煙、室内に客室テレビを置かない構成にして、夕刻から夜への時間の流れを意識させる。夕食はイタリア料理のコース、飛騨の食材を伊式で扱う。湯は貸切風呂、館内浴場の共用利用は設けない。送迎は無料。観光導線から離れた立地は、宿の時間を独立させるための選択として読める。

集約レビューの傾向

公開レビューを集約すると、夕食コースの構成・ワインリスト・スタッフの距離感に関する高評価が中心に観察された。客室テレビ不在については、賛否が分かれるが、賛成側が多数。リニューアル後の建物の質感、特に共用部のしつらえへの評価が安定して高い。一方で、観光地巡りで宿に戻る時間が短い旅程との相性は低い。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    食事を旅の中心に据える大人2人の旅、宿で完結させたい記念日、車またはタクシーで動ける旅程
  • 向かない:
    古い町並みに徒歩で繰り返し出たい旅、和食中心の旅、客室で長時間テレビを観たい旅

具体情報

  • 最寄り駅: JR高山駅から車で約10分(無料送迎あり)
  • 客室数: 7室(ツイン・ダブル、テレビなし)
  • チェックイン: 16:00〜 / アウト 〜11:00
  • 食事: イタリア料理コース、貸切風呂
  • リニューアル: 2022年

3. 料理旅館 こまくさ — 高山市岡本町

古い町並みから北西へ徒歩圏、わずか4室の料理旅館。郷土料理を骨格に据え、宿の規模を意図的に小さく保つ一軒。

Media Picks Score: 94 / 100  4室、料理旅館。

目安価格 ¥37,000–¥44,000 / 泊 (2名1室・通常期)


料理旅館 こまくさ — 飛騨高山・岡本町、4室の郷土料理旅館
PHOTO: 料理旅館 こまくさ — 公式サイトを見る

なぜ選ばれるか

高山駅から徒歩7分、岡本町の住宅地に建つ4室のみの料理旅館。きのこの炊き込みご飯、あまごの唐揚げ、朴葉味噌、胡麻豆腐、飛騨牛の小料理など、郷土の食材を中心とした献立を、家族経営の小さな規模でまわす。古い町並みからは徒歩で約15分、宮川の西側、観光動線の外縁という位置取り。室数を意図的に増やさないという運営選択そのものが、料理の質を保つための骨格になっている。

集約レビューの傾向

公開レビューを集約すると、料理の構成と量、女将を中心とした接客への評価が突出して観察された。室数が少ないため繁忙期の予約難易度は高い。建物自体は新しくない部類だが、客室の手入れと清潔感への言及は多い。素泊まりや朝食のみのプランは設けず、料理を旅の主軸に置く構造を貫いている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    飛騨の郷土料理を旅の核に置く大人2人、女将のもてなしを楽しみたい層、駅から徒歩圏で動く旅
  • 向かない:
    新築・モダン建築を望む旅、団体やグループでの利用、洋食中心の旅程

具体情報

  • 最寄り駅: JR高山駅から徒歩約7分
  • 客室数: 4室(料理旅館)
  • 古い町並みまで: 徒歩約15分
  • 食事: 1泊2食、飛騨郷土料理(朴葉味噌、胡麻豆腐、あまご、飛騨牛)
  • 住所: 岐阜県高山市岡本町4-172-1

4. K’s Villa 飛騨庵 — 高山市花川町

古い町並みの北、花川町の町家を一棟貸しで提供する141㎡の建物。飛騨の匠の細工が残り、檜風呂と飛騨家具を備える。

Media Picks Score: 92 / 100  4室、一棟貸し町家。

目安価格 ¥40,000–¥55,000 / 泊 (2名1室・通常期)


K's Villa 飛騨庵 — 飛騨高山・花川町、飛騨の匠の細工が残る町家一棟貸し
PHOTO: K’s Villa 飛騨庵 — 公式サイトを見る

なぜ選ばれるか

高山駅から徒歩3分。花川町、宮川と古い町並みの中間に位置する町家を一棟貸しで運用する。木造の天井細工、漆を引いた建具、飛騨家具の調度、檜風呂。2〜10名で利用でき、4室構成。スタッフが常駐する宿ではなく、自炊もできる滞在型の運用。表通りに面さず、路地一本入った静かな立地という、町家本来の構えを保つ。

集約レビューの傾向

公開レビューを集約すると、建物の質感・床面積の広さ・檜風呂への評価が高い。一方で、レセプションが常駐しない運用ゆえ、宿の手厚いもてなしを期待する旅とは性格が異なる。家族・友人グループでの利用、または記念日に大人2人で空間を独占したい用途で選ばれる傾向。海外からの旅行者の利用比率も高い。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    町家建築を独占したい大人2人、家族3〜10名のグループ、海外からの旅行者、駅徒歩圏を重視する旅
  • 向かない:
    宿のもてなし・食事込みの体験を望む旅、館内サービスを期待する旅、初めての海外渡航相当の不慣れな旅

具体情報

  • 最寄り駅: JR高山駅から徒歩約3分
  • 建物: 4室・141㎡の町家一棟貸し(2〜10名)
  • 設備: 檜風呂、飛騨家具、自炊可
  • 食事: なし(素泊まり、自炊または外食)
  • 運営: K’s Villa(一棟貸しブランド、京都・高山に計4軒。姉妹ブランドのケイズハウス高山がサポート)

5. おやど楽 — 高山市江名子町

本テーマがそのまま名指す江名子町の高台に立つ9室の小宿。北アルプスを遠望する立地、24時間入浴可能な湯。

Media Picks Score: 91 / 100  9室、家族経営の小宿。


おやど楽 — 飛騨高山・江名子町、北アルプスを遠望する家族経営の小宿
PHOTO: おやど楽 — 公式サイトを見る

なぜ選ばれるか

高山駅から車で10分、江名子町2044-17。城下町の中心から東に外れた高台に建つ9室の小宿。北アルプスを望む眺望と、24時間入浴可能な湯、家族経営の運用が骨格をなす。本記事のテーマが「古い町並みから江名子へ」と書くとおり、江名子町は高山の表通りから一歩外れた、観光導線が薄い地域。RVパークを併設するなど、車中心の旅行者を受け止める構えも整える。

集約レビューの傾向

公開レビューを集約すると、眺望・湯・スタッフの距離感に関する高評価が観察された。立地は完全に車前提で、駅からの徒歩は現実的ではない。設備は古民家でも新築でもない中間的な造りで、好みは分かれる。料理面の言及は多くなく、宿そのものの居心地に重きを置く運用と読める。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    車で飛騨地方を周遊する旅、夜の静けさと朝の眺望を重視する旅、RVパーク併用の車中泊旅行者
  • 向かない:
    駅徒歩圏を求める旅、夕食・料理を旅の核に置く旅、町中の動線を頻繁に往復する旅程

具体情報

  • 最寄り駅: JR高山駅・濃飛バスセンターから車で約10分
  • 客室数: 9室
  • 湯: 24時間入浴可
  • 立地: 江名子町2044-17、北アルプス眺望
  • 併設: RVパーク(電源・無料Wi-Fi)

よくある質問

Q. 5軒のうち駅徒歩圏はどれですか?

A. 徒歩圏内はK’s Villa 飛騨庵(駅徒歩3分)と料理旅館 こまくさ(駅徒歩7分)の2軒。百年古民家いろり宿 飛騨屋・オーベルジュ 飛騨の森・おやど楽は車またはタクシー利用が前提。送迎は宿により対応が異なる。

Q. 古い町並みからの距離は?

A. 表通り(上三之町)からの徒歩距離で並べると、料理旅館 こまくさ(約15分)、K’s Villa 飛騨庵(約10分)、百年古民家いろり宿 飛騨屋・おやど楽(車で5〜10分)、オーベルジュ 飛騨の森(車で12分)。本記事のテーマが示すとおり、いずれも観光動線の表通りから距離を取る。

Q. ベストシーズンは?

A. 編集部が推す時期は、梅雨明け直後の7月中旬から8月上旬。日中は強い陽射しになるが、宿に戻る夕刻に風が抜け、夜間は涼しい。秋の紅葉期(10月下旬〜11月上旬)と冬の白川郷観光と組む厳冬期(1〜2月)も人気だが、この2期は予約が早期に埋まる傾向。

Q. 食事は飛騨牛中心ですか?

A. 5軒のうち、料理旅館 こまくさ・百年古民家いろり宿 飛騨屋・おやど楽は飛騨牛と山菜・郷土料理が中心。オーベルジュ 飛騨の森はイタリア料理コースで、飛騨食材を伊式で扱う。K’s Villa 飛騨庵は素泊まりで、外食または自炊が前提。

Q. 海外からの旅行者にも対応していますか?

A. K’s Villa 飛騨庵は運営会社の特性上、海外からの利用が多く、英語対応も整備されている。他の宿は和の運用が中心だが、近年は飛騨地域全体で海外客の受け入れが進んでおり、予約時に英語可否を確認するとよい。

本記事の参考情報

飛騨高山観光公式サイト — 古い町並みと周辺地区の地理情報
飛騨高山旅館ホテル協同組合 — 高山市内の宿泊施設データ

編集部から

高山の宿は、駅から徒歩圏の中規模ホテル・大型旅館が広く流通する一方で、室数を絞った小宿は表通りから一歩外れた場所に静かに点在する。本記事の5軒は、いずれも観光動線から距離を取ることで、宿そのものに別の時間軸を確保している。古い町並みを散策した夕刻、表通りの賑わいから、ふと外れる感覚を味わいたい旅人に向く5軒。次回は、白川郷・五箇山と組み合わせる飛騨周遊の小宿、または冬の高山に絞った記事を準備している。

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