修善寺
仲居の数という設計 — 客室数と接客人員の比が、高級旅館の滞在密度をどう決めるか
料理や建築は語られても、宿が抱える人の数と客室数の比はめったに論じられない。あさば・柊家・山荘無量塔。三軒の高級旅館を、サービス密度という見えない設計判断から読むエッセイ。
灯具を主語に読む宿 5軒 — 行灯・和蝋燭・イサム・ノグチ AKARI、客室に据える灯りの作家性
行灯、和蝋燭、イサム・ノグチのAKARIに連なる和紙の照明——客室の一灯を主語に、全国の小規模デザイン宿・旅館5軒を灯りの作家性から読む。
格天井と棹縁天井で選ぶ宿 5軒 — 客室の上方に組まれる、もうひとつの設計面
床や壁ではなく、客室の天井を設計判断として読む。格天井、棹縁天井、船底天井——数寄屋大工と建築家が頭上に組んだ意匠から、あさば・富士屋ホテル花御殿・吉田山荘・かよう亭・岩惣の5軒を選んだ。
露天の岩組を作庭として読む宿 — 湯を囲む石をどう据えるか、庭師の手が入る浴場 3軒
露天風呂を囲む岩を、庭石を据える作法で読み解く。箱根強羅・伊豆修善寺・加賀山代——湯と石が一体で設計された三軒を、庭師の手仕事として観察するエッセイ。
床の間に何を掛けるか — 季節で軸を替える宿 5軒、客室の正面に置かれる一幅の編集
床の間の掛軸を季節で替える高級旅館を5軒。京都・俵屋旅館から箱根・強羅花壇まで、客室の正面に据える一幅の選び方から、設えの作家性を読む。
岩風呂と檜風呂 — 浴槽素材を選び切る宿 5軒、湯と素材が交わる温度域の設計
御影石・檜・伊豆石・天然岩・陶器釉薬。浴槽素材を建築判断として読む5軒。湯温と肌が交わる温度域の設計を、強羅・修善寺・有馬・由布院・別府の老舗から。
陰翳を設計する——行灯と間接光で薄暗がりを残す宿
明るさを足し続けた近代照明への反動として、照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光・色温度・配光でどう設計し直すか、修善寺あさば・山代べにや無何有・ニセコ坐忘林を例に論じる。
出汁を引く宿 5軒 — 昆布・鰹・あごの一番出汁を、椀の手前で設計するという料理長の判断
本枯節か、利尻昆布か、九州のあごか。椀の手前で出汁を設計する料理長の判断を、全国の料理旅館5軒から読む。
貸切風呂という時間設計 — 鍵を渡される50分が、宿のもうひとつの建築単位になるとき 5軒
露天でも大浴場でもない第三の湯。予約制で鍵を渡される五十分を建築単位として読む、谷川岳から黒川の竹林まで横断する貸切風呂の宿 5 軒。
陰翳を残す宿 — 谷崎が惜しんだ薄暗がりを、現代の照明計画はどう設計し直すか
明るさを足し続けた近代照明への反動として、あえて照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光計画でどう設計し直すか、べにや無何有・あさば・俵屋旅館の三軒を例に論じる。