高級旅館
酒蔵が営む高級旅館 5軒 — 仕込み水と蔵付きの酵母を、膳と湯に引き込む宿
造り酒屋がその生業のうちに構える宿がある。仕込み水を浴場へ引き、蔵で醸した酒を膳へ。杜氏と料理長が同居する高級旅館・オーベルジュを全国5軒、水と発酵の設計から読む。
鮎を主役に据える宿 5軒 — 塩焼き・背越し・うるか、清流の板場が盛夏の一皿にどう火を通すか
長良川・球磨川・四万十・天ノ川。清流沿いの高級旅館5軒が、天然と養殖の鮎をどう使い分け、塩焼き・背越し・うるか・鮎めしを盛夏の膳にどう据えるかを編集的に読む。
継ぐということ — 板場の世襲が、献立の連続と断絶をどう設計するか 3軒
料理長の代替わりは、献立にとって連続と断絶が同時に進む時間。世襲・当主・建築という三つの継承の軸をもつ高級旅館3軒——皆美館・柊家・あさばを、料理の側から読むエッセイ。
膳を運ぶ歩数 — 厨房から客室までの距離を、料理の温度として設計する宿 3軒
出来たての椀が客の前に置かれるまでの数十歩を、宿はどう設計するか。厨房から客室までの距離を料理の温度として読む、離れと客室食の高級旅館3軒——谷川温泉・別邸 仙寿庵、修善寺・あさば、鳥羽・汀渚 ばさら邸。
客室から海面までの段差を読む — 床高3m・5m・10mが滞在の視線をどう変えるか 海辺の宿3軒
海辺の宿は「オーシャンビュー」で括られがちだが、視線を左右するのは客室床から海面までの段差である。床高3m・5m・10mを補助線に、伊東・鳥羽・鞆の浦の高級旅館3軒を読み直す。
仲居の数という設計 — 客室数と接客人員の比が、高級旅館の滞在密度をどう決めるか 3軒
料理や庭より、客室に対する接客スタッフの比が滞在密度を決める。由布院・湯ヶ島・下田の全12〜8室の3軒で読む、高級旅館の見えない設計軸。
庄内・湯田川から由良・湯野浜へ — 鳥海と日本海のあいだに建つ庄内の高級旅館 5軒
鶴岡の湯田川・湯野浜・由良の3温泉地から、料理と建築の密度で選んだ庄内の高級旅館5軒。九兵衛旅館、珠玉や、湯どの庵、タカミヤ湯の浜テラス、愉海亭みやじま、ホテル八乙女。
夏の湯上りに氷菓を出す宿 5軒 — 白玉・水羊羹・葛切、板場が湯上りの一椀に据える冷菓の編集
京都・湯布院・黒川・山代・有馬から、湯上りに板場自ら仕立てる白玉・水羊羹・葛切を出す高級旅館5軒。市販のデザートではなく、氷室氷・湧水・自家製あんを使う仕立てを、素材と器の温度で編集した。
器を主語に読む宿 3軒 — 九谷・織部・作家物、料理長が膳に択ぶ一皿の作家性
器を主語に据えて読む宿を三軒。加賀・山代のべにや無何有、京都の炭屋旅館、山中温泉のかよう亭。九谷、作家物、山中塗の系譜を、料理長が膳に択ぶ一皿を通して観察する essay。
朝粥を出す宿 3軒 — 白粥・茶粥・鯛粥、宿が滞在の最後に据える一椀の設計
京都で白粥、奈良で茶粥、鞆の浦で鯛の出汁を用いる一椀。三軒の宿がそれぞれの土地の水と米に向き合い、火加減と時間で仕立てた朝の粥を、編集部が選んだ。