高級旅館
文豪が原稿を書いた宿 3軒 — 逗留と創作のあいだに、部屋がどう関わったか
川端康成が定宿とした京都最古級の俵屋旅館、重要文化財の萬翠楼福住、『伊豆の踊子』執筆の間を残す湯本館。文人ゆかりを観光消費せず、書くための静けさを宿がどう設計したかを建築の視点で読む3軒。
二泊三日、湯布院から黒川・杖立へ — 別府湾を挟まず、九州内陸の温泉郷を高級旅館で継ぐ夏の連泊
湯布院から阿蘇北麓を越え、黒川、杖立まで — 別府湾を挟まず、九州内陸の温泉郷だけを高級旅館で継ぐ二泊三日の車旅。山荘 無量塔、山荘 竹ふえ、旅館 かねいしの3軒で編む。
数寄屋大工の棟梁を主語に読む宿 3軒 — 中村外二らの系譜が、客室の柱と天井にどう刻まれているか
設計者でも料理長でもなく、木を刻んだ数寄屋大工の棟梁を主語に。中村外二の系譜を手がかりに、京都・俵屋旅館、加賀・あらや滔々庵、箱根・強羅花壇の柱と天井を読む建築エッセイ。
献立を紙でなく口で告げる宿 — 品書きを刷らないという、高級旅館の一献の演出 3軒
献立を紙に刷らず、一品ごとに口で告げる高級旅館。俵屋旅館・あさば・かよう亭——品書きの不在が滞在の集中をどう作るかを、編集的距離で読む全国3軒。
朝粥を出す宿 3軒 — 白粥・茶粥・鯛粥、宿が滞在の最後に据える一椀の設計
滞在の最後に朝粥を据える宿は、朝の一椀を献立の締めくくりとして設計している。京都ブライトンホテルの白粥、奈良ホテルの茶がゆ、皆美館の鯛めし——火加減と炊き時間、器と温度に料理長の判断を読む、夏の朝餉の設計論。
酒蔵が営む高級旅館 5軒 — 仕込み水と蔵付きの酵母を、膳と湯に引き込む宿
造り酒屋がその生業のうちに構える宿がある。仕込み水を浴場へ引き、蔵で醸した酒を膳へ。杜氏と料理長が同居する高級旅館・オーベルジュを全国5軒、水と発酵の設計から読む。
鮎を主役に据える宿 5軒 — 塩焼き・背越し・うるか、清流の板場が盛夏の一皿にどう火を通すか
長良川・球磨川・四万十・天ノ川。清流沿いの高級旅館5軒が、天然と養殖の鮎をどう使い分け、塩焼き・背越し・うるか・鮎めしを盛夏の膳にどう据えるかを編集的に読む。
継ぐということ — 板場の世襲が、献立の連続と断絶をどう設計するか 3軒
料理長の代替わりは、献立にとって連続と断絶が同時に進む時間。世襲・当主・建築という三つの継承の軸をもつ高級旅館3軒——皆美館・柊家・あさばを、料理の側から読むエッセイ。
膳を運ぶ歩数 — 厨房から客室までの距離を、料理の温度として設計する宿 3軒
出来たての椀が客の前に置かれるまでの数十歩を、宿はどう設計するか。厨房から客室までの距離を料理の温度として読む、離れと客室食の高級旅館3軒——谷川温泉・別邸 仙寿庵、修善寺・あさば、鳥羽・汀渚 ばさら邸。
客室から海面までの段差を読む — 床高3m・5m・10mが滞在の視線をどう変えるか 海辺の宿3軒
海辺の宿は「オーシャンビュー」で括られがちだが、視線を左右するのは客室床から海面までの段差である。床高3m・5m・10mを補助線に、伊東・鳥羽・鞆の浦の高級旅館3軒を読み直す。