大分・九重連山の裾で、湯の質だけを頼りに宿を選ぶなら、由布院でも黒川でもなく、筋湯・宝泉寺・壁湯という三つの小さな湯の里に降りるという選択がある。やまなみハイウェイから一本外れた谷あいに、室数が十を超えない木造の宿が点々と灯る。標高千メートル前後、九州本土最高峰の中岳を背に控えたこの一帯は、温泉街としての賑わいをほとんど持たない。編集部はここを、洞窟状の自噴湯と打たせ湯という浴法の固有性で読み解ける土地として選び、五軒を挙げる。

# 宿 源泉地 Score 客室 目安価格 1行特徴
1 壁湯温泉 福元屋 壁湯 93 9 ¥42–50k 川床の岩壁が庇となる、足元自噴の洞窟状浴槽
2 山あいの宿 喜安屋 筋湯 92 10 ¥46–50k 約2,000坪の雑木林に離れ10棟が散る、土壁と黒板塀
3 筋湯温泉 旅館白滝 筋湯 91 10 ¥35–43k 全室が渓流に面し、貸切4湯のうち1湯に打たせ湯
4 旅籠 彩くら 宝泉寺 90 10棟 ¥68–79k 約3,000坪に完全離れ10棟、全棟に源泉かけ流しの露天
5 懐古乃宿 萬作屋 湯坪 89 6 ¥36–43k 山鹿から移した江戸末期の庄屋屋敷を母屋に据える6室
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. 壁湯温泉 福元屋 — 九重町町田

川床の岩壁がそのまま庇になる洞窟状の浴槽に、300年以上前から湯が自噴し続ける9室。

Media Picks Score: 93 / 100  9室、明治40年創業の木造旅館。

目安価格 ¥42,000–¥50,000 / 泊 (2名1室・通常期)


壁湯温泉 福元屋 — 大分県九重町町田 · 川沿いの岩壁が庇となる足元自噴の洞窟状露天風呂
PHOTO: 壁湯温泉 福元屋 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

湯屋を建てるのではなく、川岸の岩壁が張り出した部分をそのまま浴室として使う。この一点で福元屋は他と切り離される。浴槽の底の岩の隙間から湯が湧き、その温度は39℃。単純泉で、長く浸かっても身体が上がらない。第二に、先代がのみで手掘りしたという女性専用の洞窟湯があり、露天より内側にこもる分だけ岩の圧が近い。第三に、蔵に使われていた石を組み直した「隠り国の湯」、館主自身が切り出した石で築いた別棟の「切り出しの湯」と、湯船ごとに石の出自が異なる。館内には先々代の嫁入り箪笥と囲炉裏が残る。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿への評価は湯そのものに集中して立ち上がる。浴槽の造作と湯温の低さ、そして混浴形式への言及が多く、湯を目的に来た層が満足して帰る構図が明瞭に読める。食事については、自家栽培の香り米と地の野菜を軸にした家庭的な献立が支持を集める一方、量や華やかさを期待する層とはやや噛み合わない傾向も見える。建物は明治期からの木造で、設備の新しさを求める向きには薦めにくい。評点の高さは、そこを承知で訪れた層によって支えられている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    湯の造作そのものを見に行く人、ぬる湯に長く浸かりたい人、木造旅館の経年を価値として読める人
  • 向かない:
    混浴形式に抵抗がある人(女性専用の洞窟内湯と貸切2湯で代替は可能)、客室の水回りの新しさを重視する人、公共交通のみで移動する旅程

具体情報

  • 所在: 大分県玖珠郡九重町大字町田62-1
  • 客室: 9室(12畳の和室2間タイプ1室、6〜8畳3室、ふたり和室4室、1F和室1室)/全室禁煙
  • 浴室: 5湯(混浴露天1・女性専用手掘り洞窟湯1・貸切2・共同浴場、加えて夏季専用1)
  • 泉質・泉温: 単純泉/39℃、洞窟温泉は24時間利用可
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • 創業: 明治40年(1907年)
  • 駐車場: 30台(宿泊者専用)
  • 加盟: 日本秘湯を守る会


2. 山あいの宿 喜安屋 — 九重町筋湯温泉

約2,000坪の雑木林に、土壁と黒板塀の離れが10棟。すべてに趣の異なる露天が付く。

Media Picks Score: 92 / 100  10室(収容30名)、離れ形式の温泉旅館。

目安価格 ¥46,000–¥50,000 / 泊 (2名1室・通常期)


山あいの宿 喜安屋 — 大分県九重町筋湯温泉 · 雑木林のなかに独立して建つ黒板塀の貸切湯棟
PHOTO: 山あいの宿 喜安屋 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

筋湯温泉の集落からさらに山あいへ入った先、約2,000坪の雑木林に離れ10棟と食事処、貸切湯が点在する。棟をつなぐ廊下ではなく、林床の通路が動線になっている。外装は温かみのある土壁と黒塗りの板塀で、古民家の意匠を現代の離れに翻案した構成と言える。客室は8畳・10畳・12.5畳の和室で、いずれにも露天が付く。浴槽の素材は切り石、赤石、ヒノキと棟ごとに異なり、同じ湯を違う器で受けるという設計になっている。源泉温度は75.7℃、泉質はナトリウム-塩化物泉。湯量が潤沢で、客室の暖房にも温泉熱が使われている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、九重町内の宿のなかでも突出して高い水準に位置する。評価を押し上げているのは、離れという形式がもたらす他客との距離、そして客室露天を含めた湯まわりの充実度である。料理は大分・九重・阿蘇の食材を用いた山里料理で、ヤマメや豊後牛への言及が安定して多い。一方、客室までの通路に段差があること、最寄りのバス停から約8kmという立地は、体力面や交通手段の面で条件を選ぶ。評価の高さは、その条件を受け入れた層のなかで形成されている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    他の客と顔を合わせずに過ごしたい二人旅、客室露天で時間を区切らず湯に入りたい人、車で九重連山を巡る旅程の拠点を探している人
  • 向かない:
    段差の少ない動線が必要な人(客室までの通路に段差あり)、ペット同伴の旅、レンタカーを手配しない公共交通のみの旅程

具体情報

  • 所在: 大分県玖珠郡九重町筋湯温泉527(標高約1,000m)
  • 客室: 10室/収容30名、和室8畳・10畳・12.5畳、定員2〜5名、全室に露天風呂
  • 浴室: 露天(男女各1)、内風呂(男女各1)、家族湯2、貸切露天2
  • 泉質・泉温: ナトリウム-塩化物泉/源泉75.7℃、24時間かけ流し
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • アクセス: JR久大本線 豊後中村駅からコミュニティバス。九州横断バス「筋湯温泉入口」から約8kmのため車が現実的
  • 駐車場: 10台/全館禁煙/ペット不可
  • 加盟: 日本秘湯を守る会


3. 筋湯温泉 旅館白滝 — 九重町湯坪

全10室すべてが渓流に面し、無料の貸切湯4つのうち1つに打たせ湯が備わる小さな湯宿。

Media Picks Score: 91 / 100  10室(半露天風呂付和室2室、10畳和室8室)。

目安価格 ¥35,000–¥43,000 / 泊 (2名1室・通常期)


筋湯温泉 旅館白滝 — 大分県九重町湯坪 · 竹を編んだ袖壁と杉板の軒下に据えられた岩組みの露天風呂
PHOTO: 筋湯温泉 旅館白滝 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

筋湯という地名は「筋の病に効く」ことに由来し、この土地の湯は打たせて使うものとして育ってきた。白滝はその文脈を宿の内側に引き込んでいる。無料の貸切家族風呂が4つあり、「ふれあいの湯」には打たせ湯が付く。予約制ではなく、空いていれば滞在中に何度でも入れる運用で、2棟は24時間利用が可能。客室は全10室が玖珠川の渓流に面した10畳の和室で、うち2室に半露天が付く。泉質は無色透明のナトリウム塩化物泉。露天風呂は2025年末に改修を終えている。料理は豊後牛と川魚を軸にした創作和会席で、手作りの胡麻豆腐が通年で供される。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿は貸切湯の運用に対する評価が明確に高い。時間予約を課さず空き次第で入れるという方式が、10室という規模でこそ破綻せずに回っていることが読み取れる。渓流に面した客室配置、そして食事の質についても支持は安定している。留意点として、夕食は18:00に一斉開始で、夕食付きの場合はそれまでの到着が求められる。送迎は原則行われず、冬季の積雪時のみ状況に応じた対応となる。時間の自由度を最優先する旅程とは、やや相性が悪い。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    打たせ湯を目的に筋湯へ来る人、貸切湯を時間を気にせず回りたい人、渓流の音のある客室を選びたい人
  • 向かない:
    夕食の時刻を自分で決めたい人(18:00一斉開始)、夕方以降に到着する旅程、駅からの送迎を前提に組む旅

具体情報

  • 所在: 大分県玖珠郡九重町湯坪721
  • 客室: 全10室(半露天風呂付和室2室、10畳和室8室)、全室が川に面する、定員1〜5名
  • 浴室: 無料貸切家族風呂4(「ふれあいの湯」に打たせ湯付)+男女別露天。利用は5:00〜24:00、うち2湯は24時間
  • 泉質: ナトリウム塩化物泉(無色透明)/かけ流し
  • チェックイン: 15:00〜22:00(夕食付は18:00まで)/ アウト 〜10:00
  • 食事: 夕食は創作和会席、18:00一斉開始。朝食8:00〜9:00、食事処「花の詩」
  • アクセス: JR久大本線 豊後中村駅から筋湯温泉行きバスで約50分/駐車場20台(無料)


4. 旅籠 彩くら — 九重町町田・宝泉寺温泉

涌蓋山の麓、約3,000坪に完全離れ10棟。全棟に100%源泉かけ流しの露天が付く。

Media Picks Score: 90 / 100  全10棟の完全離れ、52〜62㎡。

目安価格 ¥68,000–¥79,000 / 泊 (2名1室・通常期)


旅籠 彩くら — 大分県九重町宝泉寺温泉 · 小川に面したウッドデッキと切石の客室露天風呂
PHOTO: 旅籠 彩くら — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

宝泉寺温泉郷、涌蓋山の麓の約3,000坪に、10棟の離れが川沿いに並ぶ。棟には「関山」「白妙」「松月」「紅豊」「深山」「冬桜」「琴平」「一葉」「雛菊」「白雪」と桜の品種名が与えられ、それぞれ露天の素材が檜と岩に分かれる。最上位の「関山」は62㎡の和洋室に温泉プールを備え、100%源泉かけ流しの湯を通年で満たしている。棟の横に車を直付けでき、荷を運ぶ動線が短い。食事はレストラン「LIGARE」で供され、個室席も選べる。10歳未満を受け入れない方針を明示しているため、館内の音量が一定に保たれる。10棟のうち5棟が犬同伴に対応し、ドッグランも備わる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿は5軒のなかで最も価格帯が高いにもかかわらず、評価水準を落としていない。支持を集めているのは、離れという形式の徹底ぶり——駐車から入浴、食事まで他客と交差しない動線——と、客室露天の湯量である。犬を伴う滞在への言及も一定量あり、対応棟と一般棟の区分が明確であることが評価につながっている。一方、10歳未満を受け入れない方針は家族連れの選択肢から外れる要因となる。宿泊料金は年間を通じて高めに推移し、繁忙期の変動幅も大きい。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    記念日の二人旅、犬を伴う滞在(対応5棟)、館内で他客と交差しない滞在を求める人、車で荷物が多い旅程
  • 向かない:
    10歳未満の子どもを伴う旅(受け入れ不可)、¥40,000前後の価格帯で探している旅程、共同浴場を巡る湯めぐり中心の滞在

具体情報

  • 所在: 大分県玖珠郡九重町町田2645(宝泉寺温泉/涌蓋山麓)
  • 客室: 完全離れ10棟、52〜62㎡。全棟に100%源泉かけ流しの露天。「関山」は温泉プール付62㎡
  • チェックイン: 15:00〜22:00(夕食希望は20:00まで)/ アウト 〜10:00(延長は有料、最長12:00)
  • 食事: レストラン「LIGARE」(個室席あり)。夕食は和欧風創作フレンチのコースに和食ビュッフェが付く
  • 子ども: 10歳未満は受け入れ不可(公式サイトには「10歳以下不可」の表記もあり、10歳前後は要確認)
  • ペット: 10棟中5棟が小型〜大型犬に対応、ドッグラン併設
  • アクセス: JR久大本線 豊後森駅から宝泉寺温泉方面行きバス約30分/九重ICから約10km、玖珠ICから約20km/駐車は各棟横(無料、200V充電あり)


5. 懐古乃宿 萬作屋 — 九重町湯坪

熊本・山鹿から移した江戸末期の庄屋屋敷を母屋に据えた6室。貸切湯4つは予約制を採らない。

Media Picks Score: 89 / 100  6室(内湯付き和室2室、和室4室)、離れ風の客座敷。

目安価格 ¥36,000–¥43,000 / 泊 (2名1室・通常期)


懐古乃宿 萬作屋 — 大分県九重町湯坪 · 移築された江戸末期の庄屋屋敷、瓦庇と暖簾の掛かる玄関まわり
PHOTO: 懐古乃宿 萬作屋 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

母屋は、熊本県山鹿市にあった庄屋屋敷を移築したもので、建造から170年以上を経ている。宮大工の手による小屋組と柱梁がそのまま帳場と個室食事処を包む。客室は6室のみで、いずれも玄関に軒先を持つ離れ風の造り。うち2室には天然温泉の陶器風呂が付く。敷地内の貸切湯は4つあり、予約制を採らず空いていれば滞在中いつでも入れる。1室はバラ風呂として設えられている。源泉名は湯坪温泉、泉温85.5℃の単純温泉で、高温のため加水して供される。料理は京懐石の系譜を引く献立を、個室で。食事処は2024年に個室化されている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿は建物の質感と料理の二軸で評価されている。移築された古民家という条件は、写真では伝わりにくい木の量感として滞在時に効いてくるらしく、そこへの言及が繰り返し現れる。貸切湯を予約制にしない運用も、6室という規模だからこそ待たされずに済むという実感につながっている。留意点は、食事付きの最終チェックインが17:30と早いこと。周辺に商業施設がなく、買い物は道中で済ませる前提になること。冬季の路面凍結への備えが要ることの3点である。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    古民家の構造材を見に行く人、貸切湯を待たずに使いたい人、料理を目的に据えた一泊、筋湯やくじゅう登山口を車で回る旅程
  • 向かない:
    夕方以降に到着する旅程(食事付き最終チェックイン17:30)、宿の周辺で買い物や外食を予定する滞在、冬季にノーマルタイヤで向かう旅

具体情報

  • 所在: 大分県玖珠郡九重町湯坪260-5
  • 客室: 6室(内湯付き和室2室=和室8畳・7畳、通常和室4室=6〜8畳)、離れ風、全館禁煙
  • 母屋: 熊本県山鹿市の庄屋屋敷を移築、江戸末期より170年以上
  • 浴室: 無料の貸切湯4(うち1つはバラ風呂)。予約制なし、15:00〜チェックアウトまで随時
  • 泉質・泉温: 単純温泉(源泉名 湯坪温泉)/85.5℃、加水あり
  • チェックイン: 15:00〜(食事付は最終17:30)/ アウト 〜10:00
  • アクセス: 大分自動車道 九重ICから約25〜30分/JR豊後中村駅から日田バス九重登山口・牧ノ戸峠行き「湯坪」下車/駐車場無料


よくある質問

Q. 秋に訪れる意味はどこにありますか。

A. 筋湯温泉は標高約1,000mで、5軒のうち喜安屋と白滝がこの高さに建ちます(萬作屋は約820m、彩くらと福元屋は500m前後)。高所ほど平地より季節の進みが早く、山肌が色を変える時期も前倒しになります。加えて秋は湯の温度差が体感として際立つ季節で、福元屋の39℃という低温自噴湯と、白滝や萬作屋の高温源泉を同じ旅程で比べる面白さが出ます。編集部が推すのは、朝の外気が冷え込む10月下旬以降です。

Q. 車がなくても回れますか。

A. 現実的とは言えません。JR久大本線の豊後中村駅から筋湯温泉行きのバスが各列車に接続しますが、宿の多くは集落からさらに山あいへ入ります。喜安屋は九州横断バスの「筋湯温泉入口」から約8km離れ、周辺にタクシーの常駐もありません。宝泉寺の彩くらは豊後森駅からのバス約30分で、4名以上の宿泊であれば最寄り駅または高速インターまでの送迎に対応しています。5軒を組み合わせて回るなら車を前提にしてください。

Q. 筋湯温泉の共同浴場は宿泊者以外でも使えますか。

A. 使えます。温泉街の中心に共同浴場が3つあり、約3mの高さから18本の湯が落ちる「うたせ大浴場」、唯一の露天である「岩ん湯」、檜を用いた「薬師湯」が並びます。そのすぐ裏に共用の足湯があります。入浴料は各400円、筋湯温泉公共駐車場は26台。宿の湯とは別に、この土地の湯の使い方そのものを体験できます。

Q. 子ども連れでも泊まれますか。

A. 宿によって方針が分かれます。彩くらは10歳未満を受け入れていません(公式サイトには「10歳以下不可」の表記もあるため、10歳前後は事前確認が要ります)。萬作屋は客室ごとに条件が異なり、内湯付き和室の一室は子どもの受け入れを行っていません。福元屋と白滝は6〜8畳から10畳の和室が中心で、家族での利用に対応します。予約前に各宿の公式サイトで条件を確認するのが確実です。

Q. 冬季の道路状況はどうですか。

A. 5軒とも山間部にあり、冬季は積雪と路面凍結が起こります。各宿がスタッドレスタイヤまたはチェーンの準備を求めており、白滝は積雪状況によっては所定の場所からの送迎に対応する場合があります。ただし宿の都合で対応できないこともあるため、事前の連絡が前提です。

本記事の参考情報

ツーリズムおおいた「筋湯温泉 うたせ湯」 — 開湯記録(天徳2年/958年)、共同浴場とうたせ湯の規模
筋湯温泉観光協会 — 温泉街と共同浴場の案内
九重町 — 町内の交通・施設情報
日本秘湯を守る会 — 福元屋・喜安屋の加盟情報

編集部から

五軒を並べて見えてくるのは、この一帯が「湯屋を建てる土地」ではなく「湯の出方に建物を合わせる土地」だということである。壁湯は岩壁の下に浴槽を掘り、筋湯は落水を浴びるための高さを共同浴場に据え、湯坪は85.5℃の源泉を加水して器に納める。設計の起点が常に湯の側にある。由布院や黒川が街としての完成度で選ばれるのに対し、九重連山の裾は湯そのものの条件で選ばれてきた。だからこそ、宿の規模は十を超えない。次に問うべきは、地熱発電が集積するこの土地で、湯を熱として使う設計がどこまで宿の側に降りてきているか、だろう。

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