兵庫県
結界を引く湯屋 — のれん・水引・縄・板戸、男女湯の境界を建築の言語でどう設計するか 3軒
男湯と女湯を隔てる境界に、宿はそれぞれ異なる素材を選ぶ。紺のれん、麻の水引、細い縄、板戸。湯屋の入口の数十センチを、群馬・兵庫・島根の三軒に読み取る。
版築の壁を残す宿 3軒 — 土を突き固めて積層させる、地層のような壁面という設計判断
沖縄・読谷のSTAY KARATEL、石川・山代のべにや無何有、兵庫・朝来のNIPPONIA HOTEL 竹田城下町 EN。版築を主材あるいは思想として据えた3軒を、素材と工程の側から観察するエッセイ。
夏の鱧を主役に据える宿 5軒 — 湯引き・落とし・鱧寿司、京・淡路の板場が組む一汁三菜の編集
祇園祭から盆休みにかけて、京都・淡路の板場が真っ先に手を入れるのが鱧。骨切りの技法は料理長の作家性を露わにする。湯引き・落とし・鱧寿司・鱧鍋。料亭旅館がこの一尾をどう組み直すか、五軒で読む。
城崎温泉・豊岡の外湯文化に建つ高級旅館 5軒 — 内湯を抑え、町の湯屋へ送り出す宿の設計
七つの外湯を町の共有資産とする城崎温泉。内湯を抑え、浴衣と下駄で客を湯屋へ送り出す——「館内で完結しない」設計思想を持つ高級旅館5軒を、豊岡・城崎の町割りに地図で置いて読む。
酒蔵が営む高級旅館 5軒 — 仕込み水と蔵付きの酵母を、膳と湯に引き込む宿
造り酒屋が宿を構える例は数こそ少ないが存在する。仕込み水を湯と膳へ引き、蔵の梁を意匠に転じる。料理長と杜氏が同居する高級旅館5軒を、仕込み水の出どころと建築の素性から読む。
祈りの一間を残す宿 5軒 — 仏間・厨子・神棚を客の動線にどう置くか
商家・庄屋・町家を継いだ宿は、仏間・厨子・神棚という祈りの場を客の動線にどう置くか。八女福島から京の数寄屋まで、祈りの痕跡を残す五軒を建築年と間取りで読む。
階段という設計 — 客が昇り降りする数段を、宿はどう意匠化しているか
階段は廊下より雄弁である。エレベーターを持たない低層の宿を、その垂直動線から読み直す。萬翠楼福住・arcana izu・NIPPONIA福住の3軒を観察。
書架を持つ宿 — ロビーに本棚を据えるという、滞在時間への設計判断
本を読みに泊まる。書架を滞在の時間を編集する装置として持つ三軒を、都市・温泉地・文化財改修という立地から建築の側に立って観察した。
神戸・旧居留地から北野まで 5軒 — 異人館街と近代洋館街区の都市プレミアム宿
神戸・旧居留地から北野異人館街までを徒歩で結ぶ街区に建つ、近代洋館の意匠を継ぐ都市プレミアム宿5軒。開港期の煉瓦と石、トアロードの坂、異人館という三つの近代の層を、宿の立地と設計から読む。
淡路島・洲本から南あわじへ — 瀬戸内と紀伊水道に挟まれた、室数10以下の島宿 5軒
淡路島を北から南へ。瀬戸内と紀伊水道に挟まれた島で、室数10以下の小宿を洲本から南あわじへ5軒。古民家の一棟貸しから火を据えた新しいオーベルジュまで、観光記号から距離を置いた島宿を編集部が選んだ。