隠れ宿
会話を最小化する宿 5軒 — チェックインを紙で、案内を書面で、フロントに口頭説明を残さないという設計
奥飛騨・伊豆・志摩・南紀を横断し、会話を最小化する設計を選んだ小さな宿5軒。離れ・個室食・貸切の湯・1日数組の上限が、必要な会話量そのものを削っていく。梅雨の雨音に浸る静かな一泊のための編集部セレクション。
奄美大島・加計呂麻から請島・与路島へ — 亜熱帯の照葉樹林に潜む室数10以下の島宿 5軒
奄美大島の集落宿から、瀬相・生間の渡船でしか渡れない加計呂麻島、さらに一日数便の航路の先にある請島・与路島へ。室数10以下の島宿5軒を、照葉樹林とリアス内海、大島紬の集落という土地の固有性とともに地図で辿る。
屋久島、宮之浦から永田・栗生へ — 照葉樹林と花崗岩の島に潜む室数10以下の小宿 5軒
屋久島の海岸線を周回する県道沿いに、室数を絞って静けさを保つ小宿が点在する。花崗岩の巨石、ウミガメが産卵する砂浜、月の三分の二が雨という気候条件——湿度と共に在ることを設計に織り込んだ 5 軒を、宮之浦から永田・栗生へと辿る。
奥日光・湯元から中禅寺湖畔へ — 標高1200m帯の原生林に潜む室数10以下の小宿 5軒
湯元から中禅寺湖畔へ、標高1200mを超える別荘地に散る室数10以下の小宿5軒。硫黄泉の湯屋と、湖畔の避暑別荘。関東近郊で最も標高の高い温泉地を、湯元温泉から南下する動線で編集部が地図に置いた。
出羽三山の麓、羽黒から月山・湯殿山へ — 修験の山懐に潜む室数10以下の宿坊・小宿 5軒
羽黒山の杉並木、月山の中腹、湯殿山の周縁——修験の道筋に潜む室数10以下の宿坊・小宿 5軒を編集部が選定。多聞館・真田延命院・大聖坊・地蔵の湯・知憩軒。宿坊と旅館と農家民宿と温泉の四位相を横断する庄内・鶴岡の宿選び。
灯りを落とす時刻を決める宿 — 消灯という運用が、隠れ宿の夜をどう設計するか
宿が能動的に暗さを作る、という運用がある。共用照明を定刻で落とす、屋外の常夜灯を最初から置かない、外光を遮る建具を昼から閉じる。設備ではなく、判断としての「暗さ」だ。夜空を見せるため、静けさを守るため、あるいは他の客の眠りを損なわないた…
奥三河・設楽から東栄・豊根へ — 花祭の山里に潜む室数10以下の小宿 5軒
名古屋から車で2時間、奥三河・北設楽郡の設楽町・東栄町・豊根村。花祭の山里に潜む室数10以下の小宿5軒を、谷筋の線で結んで選んだ。
佐渡、両津から相川・宿根木へ — 金銀山と北前船の島に潜む室数10以下の小宿 5軒
世界遺産「佐渡島の金山」を背景に、両津から相川・宿根木、外海府まで――島の周縁に潜む室数10以下の小宿を5軒。鉱山町の分散型ホテルから移築古民家、断崖の美食宿まで、夏の島渡りの順路として選んだ。
野沢温泉・木島平・栄村の谷あいに潜む小宿 5軒 — 外湯の里の周縁、室数10以下の北信の隠れ宿
野沢温泉の外湯文化を核に、木島平・栄村へと広がる北信の谷。室数10以下、メディア露出の少ない小宿5軒を、標高と室数の数値とともに地図で示す。
チェックインの時刻を客に委ねる宿 — 到着を縛らないという、隠れ宿のもてなしの設計
到着時刻をあらかじめ客に委ねる宿がある。約18万坪に客室三棟の天空の森と、原生林に七棟の離れが建つ御宿 The Earth。受付運用を滞在設計の一要素として、到着の自由と静けさの両立を評論的に読む。