京都市
陰翳を残す宿 — 谷崎が惜しんだ薄暗がりを、現代の照明計画はどう設計し直すか
明るさを足し続けた近代照明への反動として、あえて照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光計画でどう設計し直すか、べにや無何有・あさば・俵屋旅館の三軒を例に論じる。
夏の浴衣という制度 — 麻と綿、藍と白、宿が梅雨明けに揃える着替えの編集
梅雨明けに宿が浴衣を入れ替える、その編集判断を読む。俵屋旅館・扉温泉 明神館・由布院 玉の湯・料理旅館 金沢茶屋。麻と綿、藍と白の選択に宿の美意識があらわれる。
中村好文設計の宿 5軒 — 家具と建築のあいだに置かれた、住宅作家の宿仕事
住宅作家・中村好文の宿仕事を 5 軒。京都の京町家 2 軒、千葉房総の蔵、五島の廃校、大阪のビジネスホテル客室。住宅の語彙で組み立てられた宿の系譜を、家具と建築のあいだから読む。
障子と簾 — 夏の宿で建具が入れ替わるという作法
京都の老舗旅館では梅雨明けに襖や障子が外され、簾戸(すど)と葦戸(よしど)に差し替えられる。年に二度、宿が姿を変えるという作法を、俵屋旅館・柊家・奈良の旅館 江泉を作中参照しながら、建築の側から読み直す短いエッセイ。
土間という設計領域 — 三和土・洗い出し・モルタル金鏝、宿の入口で足裏が触れる地表 5軒
数寄屋から町家翻案、デザインホテルまで。入口の土間—三和土・洗い出し・モルタル金鏝・漆喰—の設計が読める五軒を、京都・金沢・直島・倉敷・鎌倉から横断で選んだ。
露地と蹲踞 — 茶室にいたる前庭の素材構成から読む数寄屋旅館 5軒
京都・金沢・松江・萩・宇治の数寄屋系旅館5軒を、茶室にいたる露地と蹲踞の素材構成から読む。飛石・役石・燈籠の据え方、露地が滞在動線にどう組み込まれているかを編集部が選定。
膳と縁高 — 一の膳、二の膳、本膳料理を運ぶ宿で読む配膳の建築 5軒
本膳料理の作法を残す京都・金沢・加賀の数寄屋旅館を、膳を運ぶ動線と配膳棚という装置から読み解く5軒。俵屋旅館、吉田山荘、あらや滔々庵、かよう亭、料理旅館金沢茶屋。
奥嵯峨・大原・鞍馬 — 京都の北辺、鴨川源流域に潜む室数10以下の小宿
京都駅から一時間圏、鴨川の源流域に残る室数十以下の山宿。大原・鞍馬・貴船の谷あいに守られた料理旅館を五軒、編集部が選んだ。
「夕食18時、朝食8時」という時間設計 — 高級旅館の二食付という制度を、時間軸から読む
「夕食18時、朝食8時」。この二行が、宿の建築・厨房・人員のすべてを規定する。二食付という日本旅館の制度を時間軸から読み、扉温泉 明神館・俵屋旅館・割烹旅館 肴屋本店の三軒に補助線を引くエッセイ。
二泊三日、京都で町家建築と現代意匠を比べる — 西陣から南禅寺界隈まで
京都市内完結の二泊三日。西陣・御所西の大型京町家から、烏丸御池の現代町家、南禅寺界隈の現代和風建築まで。町家と現代意匠を一本の線で結び、建築を比べる旅程を編集部が提案する。