石川県
雪見障子の動かし方 — 下半分が摺り上がる建具を、現代の宿はどう操作させるか 3軒
雪見障子は、建具の下半分が縦溝に沿って摺り上がる仕掛け。座した目線で庭の一寸を切り取るためだけにある細工を、京都の俵屋・柊家、山代温泉のべにや無何有はどう操作させるか。建具寸法と引手金物の位置から読む短い建具論。
拭漆という表層 — 木地に漆を摺り込み、木目を残したまま艶を与える宿 5軒
木目を覆い隠さず、生漆を摺り込んでは拭く——拭漆という最も禁欲的な仕上げを造作・什器・建具に据えた、デザイン宿 5 軒。金沢茶屋・別邸 仙寿庵・ふふ 奈良・ふふ 河口湖・和心亭 豊月。
山代・山中・片山津 — 加賀温泉郷の数寄屋普請と九谷・漆を継ぐ高級旅館 5軒
加賀温泉郷を一つの圏域として旅するなら、山代・山中・片山津という三つの湯をどう束ねるかが鍵になる。同じ加賀市にありながら、山代は藩政期からの湯の曲輪と工芸、山中は鶴仙渓という渓谷、片山津は柴山潟という湖と、地形と湯の成り立ちがそれぞれ異なる。この記事では、数寄屋普請の客室、九谷焼の器、山中漆器や輪島塗の什器を継ぐ高級旅館を五軒選び、三湯の差が宿の建築と料理をどう分けているかを、地図とともに読む。梅雨が明けたばかりの北陸を歩く前提で、編集部が推す五軒である。 本記事の要点 石川県加賀市の山代・山中・片山津、加賀三湯の高級旅館を5軒選定 目安価格は2名1室・通常期で1泊 ¥51,000〜¥169,000(宿により差) 首位は Media Picks Score 93 のあらや滔々庵 — 魯山人を継ぐ山代の湯元 もっとも閉じた一軒は全7室客室露天のこおろぎ楼(鶴仙渓・山中) 三湯は地形が異なる — 山代は湯の曲輪と工芸、山中は渓谷、片山津は湖 最終更新: 2026年6月27日 # 宿 湯 Score 客室 目安価格 1行特徴…
夏座敷という設計判断 — 障子を外し、簾と葭簀を吊る数日のために整えられる広間
梅雨明けからお盆過ぎまでの数十日のために、建具を外し簾戸を入れ、畳の縁を麻に替える。夏座敷という季節仕事を、京都・金沢・倉敷の老舗宿から建築的に読む。
布団かベッドか — 高級旅館が客の眠りに用意する寝具という設計判断
床に敷く布団か、床から離した和ベッドか。竹山聖設計のべにや無何有、緒方慎一郎が関わる山荘無量塔、夜伽を残す強羅花壇——三軒の高級旅館を、寝具という最も静かな設計判断として読む。
刃物を見せる宿 — 出刃・柳刃・薄刃、料理長が客の前で抜く一本の作家性
出刃・柳刃・薄刃。料理長が客の前で抜く一本を、建築と器の文脈で読む。新潟・長野・石川の高級旅館/オーベルジュ三軒を例に、刃物を見せる宿の作家性を観察するエッセイ。
香を焚くという設計 — 空薫・聞香・伽羅、宿が客の到着前に焚き染める一筋
客が部屋に通される前に焚き終える空薫。沈香・白檀・伽羅の選択と、畳・襖・通気がそれをどう保つか。香を主題に、京都の俵屋旅館・吉田山荘、金沢の浅田屋という三軒の高級旅館を読むエッセイ。
陰翳を設計する——行灯と間接光で薄暗がりを残す宿
明るさを足し続けた近代照明への反動として、照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光・色温度・配光でどう設計し直すか、修善寺あさば・山代べにや無何有・ニセコ坐忘林を例に論じる。
奥能登・珠洲から輪島東海岸へ — 復興と再開のあいだに灯る、室数10以下の小宿 5軒
奥能登の海岸線で静かに営業を再開する、室数10以下の小宿5軒。珠洲・輪島・能登町の漆と塩田と波の音のあいだに低く構える宿を、復興という時間軸のなかで編集的に読む。
棚田の縁に建つ宿 — 能登・輪島、白米千枚田の周縁に潜む室数10以下の小宿
白米千枚田の南西、輪島市三井町と能登町山田地区。世界農業遺産の里山集落に潜む、室数10以下の小宿を三軒選別。棚田の景観と農の営みのなかに建つ宿を、編集的距離をもって読む。