静岡県
三養荘 — 伊豆長岡、村野藤吾が旧岩崎別邸の地に継いだ数寄屋を一棟で読む
1929年の岩崎久彌別邸を前身に、村野藤吾が最晩年に設計した新館を継ぐ伊豆長岡の一軒。3,000坪の池泉回遊式庭園と登録有形文化財の本館、平屋に階段を仕込んだ分棟の動線を、一棟の建築として読む。
ATAMI 海峯楼 — 熱海、隈研吾『水/ガラス』のガラス床と水盤を、四室のスモールラグジュアリーとして一棟で読む
1995年竣工の隈研吾「水/ガラス」を、しつらえをほぼ変えずに四室の宿として継ぐ ATAMI 海峯楼。ガラス床のウォーターバルコニー、90㎡の誠波と天井高7mの風科、隣地に建つブルーノ・タウトの重要文化財までを一棟で読む。
自家菜園を膳に据える高級旅館 5軒 — 敷地内の畑で採った一品を、板場が朝の膳へ通す
敷地内や近接地の自家菜園で野菜・ハーブ・米を育て、その日の収穫を膳へ据える高級旅館・オーベルジュを全国から5軒。霧島の段々畑から網走の自家農園まで、畑と厨房の距離を初秋の収穫期に読む。
鮑を主役に据える宿 5軒 — 磯の一枚を、板場が蒸す・踊り焼く・肝で和える
相模灘から熊野灘まで、鮑を主役に据える磯の高級宿5軒。踊り焼き・踊り蒸し・鮑ステーキ——火の入れ方で変わる晩夏の一皿を、産地と漁法で読む。
新井旅館 — 修善寺、15棟が登録有形文化財の湯宿を『天平大浴堂』から読む
明治5年創業、桂川のほとりに15棟の登録有形文化財が息づく修善寺・新井旅館。安田靫彦が天平様式を写して設計した大浴場「天平大浴堂」の架構から、文化財を使い続ける一軒を読み解く。
二泊三日、寸又峡から接岨峡へ — 大井川源流、吊橋の谷に潜む小宿を渡る
大井川鐵道の先、南アルプス深南部の谷。寸又峡温泉の夢の吊橋から接岨峡温泉まで、アプト式鉄道と徒歩で結ぶ二泊三日。翠紅苑・求夢荘・たぶの家、室数の少ない木造の湯宿を渡る行程を編集部が組んだ。
鰻を主役に据える宿 5軒 — 白焼き・蒲焼・う巻き、土用に板場が一尾へ通す火の判断
鰻を宿の主役に据える一軒を、筑後・柳川と遠州・浜名湖の二つの水郷から5軒。白焼き・蒲焼・せいろ蒸し、土用の丑に板場が一尾へ通す火の判断を、料理長の仕事として距離を置いて読む。
畳の縁を読む — 縁なし・龍鬢表・琉球畳、床の一枚に宿が下す仕上げの判断
縁を外すか、残すか。表に何を選ぶか。畳の縁と織りという最も日本的な床の判断から、箱根・翠松園、あたみ石亭別邸 桜岡茶寮、柊家の三軒を読み解くエッセイ。
文豪が原稿を書いた宿 3軒 — 逗留と創作のあいだに、部屋がどう関わったか
川端康成が定宿とした京都最古級の俵屋旅館、重要文化財の萬翠楼福住、『伊豆の踊子』執筆の間を残す湯本館。文人ゆかりを観光消費せず、書くための静けさを宿がどう設計したかを建築の視点で読む3軒。
会話を最小化する宿 5軒 — チェックインを紙で、案内を書面で、フロントに口頭説明を残さないという設計
奥飛騨・伊豆・志摩・南紀を横断し、会話を最小化する設計を選んだ小さな宿5軒。離れ・個室食・貸切の湯・1日数組の上限が、必要な会話量そのものを削っていく。梅雨の雨音に浸る静かな一泊のための編集部セレクション。