静岡県
膳を運ぶ歩数 — 厨房から客室までの距離を、料理の温度として設計する宿 3軒
出来たての椀が客の前に置かれるまでの数十歩を、宿はどう設計するか。厨房から客室までの距離を料理の温度として読む、離れと客室食の高級旅館3軒——谷川温泉・別邸 仙寿庵、修善寺・あさば、鳥羽・汀渚 ばさら邸。
客室から海面までの段差を読む — 床高3m・5m・10mが滞在の視線をどう変えるか 海辺の宿3軒
海辺の宿は「オーシャンビュー」で括られがちだが、視線を左右するのは客室床から海面までの段差である。床高3m・5m・10mを補助線に、伊東・鳥羽・鞆の浦の高級旅館3軒を読み直す。
伊豆高原から熱海へ、湯屋に水盤を挟む宿 5軒 — 浴場と外景のあいだに静水面を置き、湯を二度見せる設計
隈研吾『水/ガラス』を筆頭に、湯面・水盤・相模灘を三層に重ねる熱海の温泉宿5軒。浴場と外景のあいだに静水面を挟む視線設計を、縁の納まりから読む。
仲居の数という設計 — 客室数と接客人員の比が、高級旅館の滞在密度をどう決めるか 3軒
料理や庭より、客室に対する接客スタッフの比が滞在密度を決める。由布院・湯ヶ島・下田の全12〜8室の3軒で読む、高級旅館の見えない設計軸。
二泊三日、静岡市から清水・三保へ — 駿河湾を背に、現代建築と東海道の宿を渡る
静岡市街の駅前から清水港の水際、三保松原と富士を受ける日本平の高台へ。駿河湾を背に内陸から海へ宿の性格が移る二泊三日を、都市プレミアムの三軒で渡る旅程。
夜明けに灯る厨房の音 — 朝食前の3時間を、料理長と板場がどう過ごしているか 3軒
宿の朝食を成立させる未明の三時間。出汁を引き直す俵屋旅館、パンを焼き上げるアルカナ イズ、飯が張る三十分を狙う金沢茶屋。料理長が朝の温度をどう設計しているかを、京都・金沢・伊豆の板場から読む。
仲居の数という設計 — 客室数と接客人員の比が、高級旅館の滞在密度をどう決めるか 3軒
料理・建築・庭は語られるが、客室数と仲居の数の比はほとんど誌面に出ない。3軒の高級旅館を主題に、サービス密度という見えない設計判断をエッセイ形式で読む。
西伊豆・松崎から雲見・堂ヶ島へ — 駿河湾に沈む夕日に正対する室数10以下の小宿 5軒
鉄道の通らない西伊豆。松崎・雲見・堂ヶ島・宇久須・田子の海岸線と、那賀川の田園に開く湯宿。駿河湾に沈む夕日と富士の遠景を背に、室数10以下の小さな宿5軒を編集部が選んだ。
縁側という中間領域 — 内でも外でもない一間が、隠れ宿の時間をどう緩めるか
縁側・濡縁・落縁という内と外の中間領域を主題に、海辺と山間の小宿三軒——安田屋旅館・萬翠楼福住・妙見石原荘——を建築の語彙として読む短い随筆。
鎖樋と落とし口 — 雨を線として見せる、湯屋まわりの水の意匠 3軒
軒先から地へ雨を導く鎖樋。雨を線と点に分解して見せる水の意匠を、湯屋まわりに組み込んだ数寄屋系の温泉宿三軒——おちあいろう、庭園の宿 石亭、亀の井別荘を、金物と石の話として読む。