デザインホテル
障子と簾 — 夏の宿で建具が入れ替わるという作法
京都・奈良・金沢の老舗数寄屋宿で夏季に行われる建具入れ替え(簾戸・葦戸への差し替え)の作法を、建築の側から読み直す短いエッセイ。俵屋旅館、金城樓、旅館松前を作中参照しながら、宿が一年で姿を変えるという事実を論じる。
ベラビスタ境ガ浜 — 福山・鞆の浦近郊、瀬戸内を切り取る斜面建築
広島県福山市沼隈町、瀬戸内海を望む斜面に建つベラビスタ境ガ浜を、客室の張り出し(カンチレバー)と海面までの高低差を中心に建築単体として読む。1973年開業、全45室、2025年1月営業休止までの建築史を編集部が記述する。
「二階建てまで」という設計判断 — 高さを抑える宿が選ばれる理由
木造2階建て・延床500㎡以下の4号建築物規定、風致地区条例、軒高制限 — 近年の隠れ宿で「高さを抑える」が選ばれる構造的・制度的背景を、海のしょうげつ・龍のひげ・妙見石原荘の3軒を参照しながら読み解く建築論。
MEMU EARTH HOTEL — 十勝・大樹町、隈研吾の実験住宅群が宿になった構造
北海道大樹町、旧種馬牧場跡地に建つ実験住宅群がそのまま 5 つの客室として運営される MEMU EARTH HOTEL。隈研吾「Même」の二重膜構造、伊東豊雄改修の Studio MEMU、ハーバード・オスロ・慶應・早稲田の研究室による試作住宅を、建築論的観点から深掘りする。
照明を落とすという設計 — 宿の夜を決める光の語彙
部屋の印象を決めているのは間取りでも家具でもなく照明である。和紙越しの拡散光、低位置の行灯、framing された間接照明 — 山荘 無量塔、BYAKU Narai、里山十帖の三軒を参照しつつ、宿の夜を構成する光の語彙を建築的に整理する。
富士を切り取る窓 — 富士河口湖・山中湖の宿で読む開口部設計 5 軒
富士河口湖町と山中湖村の宿から、富士山を「切り取る」開口部設計を持つ五軒を選定。軒の出、ガラスの分割、視野を絞る距離設計を読解する。
縁側という設計領域 — 内と外の境界線を、宿はどう引き直すか
座敷でも庭でもない縁側を、数寄屋の系譜を引く三軒はどう引き直すか。あさば・べにや無何有・俵屋旅館の内外境界の設計判断を、素材と寸法から読み解くエッセイ。
水盤を持つ宿 5 軒 — 建築と空をつなぐ薄い水面の設計
水盤 (リフレクティング・プール) を意匠の主役に据えた宿 5 軒を、Kerry Hill・安藤忠雄の設計系譜と水深・縁石素材から観察する。アマン東京、ベネッセハウス、MUNI KYOTO、ROKU KYOTO、アマン京都。
杉本博司・吉岡徳仁・名和晃平 — 現代美術家が空間に関与した宿 5 軒
建築家ではなく現代美術家が客室・浴場・敷地に直接関与した宿 5 軒。瀬戸内・直島と京都を軸に、安藤忠雄+杉本博司らの編集が滞在の時間軸そのものに介入する事例を観察する。
白馬・北安曇野で泊まる、北アルプスを建築に取り込んだ宿 5 軒
白馬村・北安曇野エリアから、北アルプスの稜線を意図的に切り取る開口部設計を持つデザイン宿5軒を地図とともに紹介する。建築の地としての白馬。