京都府
枯山水を客室の正面に据えるということ — 白砂と石組を眺めるための開口を、宿はどこに切るか 3軒
白砂と石組の枯山水を客室の主景に据える京都・北陸の3軒。佳水園・要庵 西富家・浅田屋を、開口の切り方という建築的視点から観察する。
シックスセンシズ京都 — 東山・妙法院の門前、平安の物語を借景にした81室を一棟で読む
三十三間堂と京都国立博物館に囲まれた東山の門前地に、2024年開業。清水建設の断面と『源氏物語』を主題にした81室、地下のSix Senses Spaを一棟の建築として読む。
畳の縁を読む — 縁なし・龍鬢表・琉球畳、床の一枚に宿が下す仕上げの判断
縁を外すか、残すか。表に何を選ぶか。畳の縁と織りという最も日本的な床の判断から、箱根・翠松園、あたみ石亭別邸 桜岡茶寮、柊家の三軒を読み解くエッセイ。
柊家 — 京都・麩屋町、二百年の数寄屋に掲げる「来者如帰」を一軒で読む
文政元年創業、京都・麩屋町の数寄屋旅館・柊家。国登録有形文化財の旧館と新館で意匠を分ける普請、「来者如帰」の抑制した接客を一軒で読む。Media Picks Score 94。
番号でなく名で呼ぶ客室 — 部屋に固有名を与える、隠れ宿の命名という設計 3軒
客室を番号でなく固有の名で呼ぶ隠れ宿を三軒。京都・要庵西富家は源氏物語の巻名、由布院・一壺天は色と草木、龍のひげは樹木の名で客室を呼ぶ。命名という無形の設計を読むエッセイ。
版築の壁を残す宿 3軒 — 土を突き固めて積層させる、地層のような壁面という設計判断
土を層ごとに突き固める版築。外構の塀ではなく客室や館内に土の壁を残した宿を、京都・信州・山陰から3軒。左官と土の系譜を素材の側から読む、梅雨明けのためのエッセイ。
ACEホテル京都 — 烏丸御池・旧京都中央電話局を継ぐ新風館、隈研吾とコミューンが縫う213室を一棟で読む
1926年の旧京都中央電話局を隈研吾とコミューン デザインが再構成した新風館の一棟。烏丸御池直結・213室の都市型デザインホテルを、建築の断面から一軒集中で読む。
宿帳を紙のまま残す宿 3軒 — 万年筆と朱印、到着の所作を電子化しないという設計
到着してまず万年筆を執る。宿帳を電子端末に置き換えない京都・金沢・松江の名旅館3軒を、隠れ宿の初動設計として読む。俵屋旅館、浅田屋、皆美館。
欄間彫刻を継ぐ宿 5軒 — 鴨居と天井のあいだの一枚に、透かし彫りと組子を彫るという意匠
京都・金沢・飛騨の数寄屋宿五軒を、部屋境の「欄間」という一枚の建具から読む。透かし彫り・板欄間・組子・筬——技法の差が宿の性格を分ける。
八寸という一皿の編集 — 夏の前菜を盆に組むという、料理長の構図の設計 3軒
会席の八寸は、季節の小品を一枚の盆に並べる、料理長にとって構図を設計する場である。盛り付けを「並べる編集」として読み、京都・北陸の高級旅館3軒——柊家、べにや無何有、玄妙庵——をその作法から観察する。