京都府
MUNI KYOTO — 嵐山・渡月橋北詰、安田幸一が桂川に正対して置いた21室を一棟で読む
京都・嵐山、渡月橋北詰に立つ全21室のMUNI KYOTO。安田幸一の建築、内田デザイン研究所の内装、アラン・デュカスの料理。単一の編集意図で貫かれた一棟を読み解く。
夏の鱧を主役に据える宿 5軒 — 湯引き・落とし・鱧寿司、京・淡路の板場が組む一汁三菜の編集
祇園祭から盆休みにかけて、京都・淡路の板場が真っ先に手を入れるのが鱧。骨切りの技法は料理長の作家性を露わにする。湯引き・落とし・鱧寿司・鱧鍋。料亭旅館がこの一尾をどう組み直すか、五軒で読む。
雪見障子の動かし方 — 下半分が摺り上がる建具を、現代の宿はどう操作させるか 3軒
障子の下半分が縦溝を滑り、座した目線で雪や苔庭を切り取る。京都・俵屋旅館、京都・柊家、加賀・あらや滔々庵の3軒で、宿が窓辺の何センチを開かせるかを読む短い建具論。
二泊三日、京都市内から大津・坂本へ — 比叡を挟んで京と近江を歩く、都市プレミアム宿の連泊設計
京都駅から新快速で九分。比叡山延暦寺を東西から仰ぐ二泊三日。Day1は元清水小学校のヘリテージホテル、Day3は琵琶湖南岸の老舗。
石塀と土塀で囲い切る宿 — 京都・金沢・萩・倉敷、街路と客室の間に置かれる境界の設計 5軒
京都の杉皮塀、金沢の竪板張り、萩堀内の土塀、倉敷の白壁となまこ壁。街路と客室の間に置かれる「塀」の素材と構法から、5軒を読み解く。
仲居の数という設計 — 客室数と接客人員の比が、高級旅館の滞在密度をどう決めるか 3軒
料理・建築・庭は語られるが、客室数と仲居の数の比はほとんど誌面に出ない。3軒の高級旅館を主題に、サービス密度という見えない設計判断をエッセイ形式で読む。
京都・伊根の舟屋を翻案した一棟貸し宿 — 海面ぎりぎりの床高と、漁港の音を読む
伊根湾の中央、約230軒の舟屋群を背に開いた築約75年の元漁師宅。「伊根海宿 舟音」を一棟貸し感覚で読む。建築・地形・潮位・漁港の音という設計条件のなかで、なぜ母屋翻案・平屋利用が選ばれたか。
膳の手前に置かれる先付 — 一寸の器に何を盛るか、料理長の起点を読む高級旅館 3軒
懐石の冒頭、酒の前に置かれる一寸の器の先付。京都・俵屋旅館、由布院・山荘 無量塔、金沢・浅田屋。料理長の起点をその一品から読む、盛夏の高級旅館三軒。
雪見障子の動かし方 — 下半分が摺り上がる建具を、現代の宿はどう操作させるか 3軒
雪見障子は、建具の下半分が縦溝に沿って摺り上がる仕掛け。座した目線で庭の一寸を切り取るためだけにある細工を、京都の俵屋・柊家、山代温泉のべにや無何有はどう操作させるか。建具寸法と引手金物の位置から読む短い建具論。
白を選び切るということ — 漆喰・石灰・チタンホワイト、宿が無彩色に振る設計判断
漆喰の白、石灰の白、塗装の白。同じ無彩色でも反射と陰影が異なり、空間の温度を変える。白に振り切った三軒を素材から読む観察エッセイ。