大正から昭和戦前にかけて建てられた湯屋が、いまも客の入る浴場として残る宿として、編集部が文化庁の登録記録と各宿の公式情報を突き合わせて選んだ 5 軒を紹介します。唐破風と格天井は、もとは社寺や書院の格式を示す意匠でした。近代の温泉宿はそれを玄関や広間へ、そして湯屋の周りへと引き寄せていきます。安田靫彦が天平様式に描き直した修善寺の総檜の浴堂、大正5年に越屋根を上げた別所温泉の大浴室、唐破風玄関の奥に浴場棟を抱える箱根小涌谷の本館、唐破風の本館の脇で岩盤を刳り抜いた花巻の立ち湯、脱衣室を格天井の畳敷きとした小谷の元湯。湯気と意匠がもっとも映えるのは、立冬から立春にかけての季節です。

# 宿 エリア 客室 目安価格 1行特徴
1 新井旅館 静岡県伊豆市(修善寺温泉) 31 ¥55–¥60k 安田靫彦が設計した昭和9年築、総檜の天平大浴堂
2 旅館 花屋 長野県上田市(別所温泉) 32 ¥46–¥53k 大正5年築の大浴室と、格天井を張った大正期の広間
3 箱根小涌園 三河屋旅館 神奈川県箱根町(小涌谷) 25 ¥42–¥57k 唐破風玄関の主屋と浴場棟をひとつに登録した大正13年頃の本館
4 藤三旅館 岩手県花巻市(鉛温泉) 32 ¥9–¥17k 唐破風玄関の本館と、昭和前期の浴室棟「白猿の湯」
5 小谷温泉 山田旅館 長野県小谷村(小谷温泉) — — 大正15年に洋風へ改めた浴室棟、脱衣室は格天井の畳敷き

湯屋の建築データ(文化庁の登録記録と各宿の公式情報に基づく)

湯屋 竣工 設計・棟梁(判明分) 屋根形式 建築面積 唐破風・格天井の所在
新井旅館 天平風呂 1934(昭和9) 安田靫彦(設計にあたったとされる) 本瓦葺 113㎡ 湯屋自体は天平様式。唐破風・格天井の記載なし
花屋 大浴室 1916(大正5) —(別所温泉の宮大工と宿は説明) 寄棟造・桟瓦葺、越屋根 99㎡ 格天井は中棟(1920頃)と中広間の広間に
三河屋旅館 本館(浴場棟を含む) 1924頃(大正13頃) — 鉄板葺・銅板葺・一部スレート葺 1,014㎡(本館全体) 唐破風は主屋の玄関に
藤三旅館 白猿の湯 昭和前期(1926〜1945) — 寄棟造・鉄板葺、越屋根 109㎡ 唐破風は本館(1941)の玄関に
山田旅館 浴室 1926(大正15)改築 —(令和3年の改装は徳武棟梁と宿が説明) 切妻造・鉄板葺、2階建 96㎡ 格天井は脱衣室に(宿の説明による)

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。山田旅館は電話予約のみのため、目安価格を掲載していません。

唐破風と格天井は、どう湯屋へ降りてきたか

唐破風は、中央が反り上がり、両端で反り返る曲線の破風です。社寺の向拝や城郭、書院の車寄に使われてきました。格天井は格縁を格子に組み、その間に鏡板を落とした天井で、中央を一段持ち上げたものは折上格天井と呼ばれます。どちらも、空間の格を上げる語彙です。

近代の温泉地では、この二つが湯治場の外へ出ていきます。明治27年の道後温泉本館、昭和13年の別府・竹瓦温泉と、共同湯の正面には唐破風が掛かりました。旅館もまた、鉄道で訪れる観光客を迎えるため、玄関に唐破風を載せ、広間に格天井を張ります。本稿の 5 軒は、その変化のただなかに湯屋を建て、いまも使い続けている宿です。唐破風と格天井を一棟の湯屋にそろえた例として湯田中のよろづや「桃山風呂」がよく知られますが、登録記録では昭和26年(1951)の竣工で、本稿が扱う時代からは外れます。

1. 新井旅館 — 静岡県伊豆市・修善寺温泉

日本画家の安田靫彦が、ビザンチン様式の案を天平様式へ描き直したとされる総檜の浴堂。社寺の架構を湯屋へ移した、昭和9年の一棟です。

31室、登録有形文化財の木造旅館。

目安価格 ¥55,000–¥60,000 / 泊 (2名1室・通常期)


新井旅館 — 静岡県伊豆市修善寺 · 昭和9年築、総檜造りの天平大浴堂と伊豆石の浴槽
PHOTO: 新井旅館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

天平大浴堂は、4間×4間の平面に本瓦葺の屋根を架けた、建築面積113㎡の浴場建築です。文化庁の登録記録では、3代目の当主と親交のあった安田靫彦がビザンチン様式の計画案を天平様式に改め、みずから設計にあたったとされます。宿の説明では、台湾から運んだ檜の芯去り材で総檜に造り、浴槽の縁には伊豆石を刻み、柱の礎には人夫20人がかりで1日15センチしか動かせなかった巨石を据えたとのことです。唐破風も格天井も使わず、太い円柱と虹梁で格を立てる。社寺の語彙をもっとも直截に湯屋へ持ち込んだ一棟として、本稿の筆頭に置きます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、評価の中心は料理にあり、そこに浴場と接客への言及が続きます。修善寺温泉街の中心にあり、散策の拠点になる立地を挙げる声も目立ちます。一方で、明治から昭和にかけての木造棟が多いため、客室の古さや室温への指摘が一定数見られます。文化財の建物に泊まることの対価として、宿泊の快適性が一部で相殺されている、と読むのが妥当です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    近代日本画や文人と宿の関係に関心がある人、浴場そのものを目的に泊まる建築好き、修善寺の寺町を歩く一泊
  • 向かない:
    新築並みの遮音と空調を求める人(木造棟が中心)、駅からの送迎を前提にする旅程(組合規定で送迎なし)

具体情報

  • アクセス: 伊豆箱根鉄道 修善寺駅からバスで約10分、修善寺温泉場から徒歩3分(駅からタクシーで約1,600円)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 湯屋: 天平風呂 1934年(昭和9)築、木造平屋・本瓦葺、建築面積113㎡
  • 文化財: 1998年に15棟が国の登録有形文化財に
  • 創業: 明治5年(1872)「養気館新井」として開業
  • 駐車場: 乗用車20台、無料


2. 旅館 花屋 — 長野県上田市・別所温泉

大正5年の大浴室を核に、格天井の広間を持つ木造棟を渡り廊下でつないだ、6,500坪の一軒。

32室、登録有形文化財の木造旅館。

目安価格 ¥46,000–¥53,000 / 泊 (2名1室・通常期)


旅館 花屋 — 長野県上田市別所温泉 · 本館から大理石風呂へ続く栂材の渡り廊下と紅葉の中庭
PHOTO: 旅館 花屋 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

登録記録によれば、大浴室は大正5年(1916)築、桁行6間・梁間5間半の木造平屋で、寄棟造の桟瓦葺です。屋根には換気のための越屋根を上げ、浴室上部の壁には窓が等間隔に並びます。記録はこの浴室を「温泉ホテルの中心的な施設」と位置づけています。格天井は湯屋ではなく、隣り合う棟に現れます。大正9年頃の中棟は2階を格天井と鏡天井の広間とし、中広間も天井を格天井とします。湯屋の実用と、広間の格式を、同じ敷地で見比べることができる宿です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、料理への評価が突出して多く、接客、客室、浴場がそれに続きます。源泉かけ流しの湯に触れた言及も多くあります。一方で、建物の古さを指摘する声もあり、客室の印象は部屋によって分かれる傾向です。間取りが部屋ごとに異なる宿なので、予約の段階で棟と部屋番号を確かめておくことが満足度に直結すると言えます。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    宮大工の彫物や欄間を見て歩きたい人、渡り廊下で棟をめぐる時間を楽しむ滞在、塩田平の古寺と組み合わせる旅
  • 向かない:
    静けさを最優先する人(宿自身が、木造のため音が響きやすいと案内している)、移動距離を短くしたい足元に不安のある人

具体情報

  • 最寄り駅: 上田電鉄別所線 別所温泉駅(終点)
  • チェックイン: 15:00〜(最終18:00) / アウト 〜11:00
  • 湯屋: 大浴室 1916年(大正5)築、木造平屋・寄棟造・桟瓦葺、建築面積99㎡
  • 浴場: 大理石風呂・若草風呂(伊豆石の浴槽)・露天風呂、いずれも源泉かけ流し
  • 沿革: 大正5年に別所温泉株式会社が設立され、大正6年に創業。2006年に登録有形文化財
  • 客室: 32室。温泉露天付の特別室は約47〜132㎡


3. 箱根小涌園 三河屋旅館 — 神奈川県箱根町・小涌谷

唐破風玄関の主屋から中庭越しの浴場棟までを、ひとつの本館として登録した、小涌谷温泉発祥の宿。

25室、本館は国の登録有形文化財。

目安価格 ¥42,000–¥57,000 / 泊 (2名1室・通常期)


箱根小涌園 三河屋旅館 — 神奈川県箱根町小涌谷 · 鬼板と懸魚を飾った唐破風玄関と銅板葺の大屋根
PHOTO: 箱根小涌園 三河屋旅館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

文化庁の登録記録は、大正13年頃(1924)の本館を、唐破風玄関を構えた主屋、洋風内装のラウンジ棟、客室を一列に並べた「月梅」、田の字形に配した「松竹」、そして月梅と中庭を挟んで建つ浴場棟の集合として記しています。建築面積は合わせて1,014㎡です。記録は、温泉地の発展とともに増築を重ねた過程をよく示す本館と評価しています。唐破風の車寄から湯屋までが一続きの文化財として扱われている点で、本稿の主題をもっとも明快に体現する一軒です。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、料理と浴場への評価がほぼ並び、スタッフの親しみやすさや客室の広さに触れる声が続きます。約2万坪の庭園「蓬莱園」に囲まれた立地が、滞在の印象を支えていると言えます。一方で、客室の古さを挙げる声は5軒のなかでも比較的多く、室温への指摘も見られます。棟によって築年と改装の度合いが異なるため、本館・別館・離れのどれに泊まるかで体験が変わる宿です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    近代和風の玄関意匠を見に行く人、箱根の庭園と合わせて一泊する旅、公共交通で動く人(バス停が目の前)
  • 向かない:
    浴場の内装まで大正期のままであることを期待する人(公開情報では当初の仕上げの範囲を確認できない)、遅めのチェックアウトを望む人(10:00)

具体情報

  • アクセス: 箱根湯本駅から路線バスで約20分、「蓬莱園」下車すぐ。強羅駅から巡回シャトルバスで約10分
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • 本館: 1924年頃(大正13頃)築、2011年に国の登録有形文化財。建築面積1,014㎡
  • 浴場: 大浴場(内風呂・露天風呂)、半露天の貸切風呂1か所。自家源泉のかけ流し
  • 創業: 明治16年(1883)。創業者が小地獄の噴泉を引いて浴場を開いたのが小涌谷温泉の始まりとされる
  • 駐車場: 15台、宿泊者は無料


4. 藤三旅館 — 岩手県花巻市・鉛温泉

豊沢川沿いに建つ唐破風玄関の木造三階と、岩盤を刳り抜いた立ち湯。2026年2月に、この二棟がそろって登録有形文化財になりました。

32室、旅館部と湯治部を持つ一軒宿。

目安価格 ¥9,000–¥17,000 / 泊 (2名1室・通常期)


藤三旅館 — 岩手県花巻市鉛温泉 · 石段を下りた地階にある深さ約1.25mの立ち湯「白猿の湯」
PHOTO: 藤三旅館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

白猿の湯は、本館の東に建つ浴室棟です。登録記録では昭和前期の建築で、寄棟造・鉄板葺の屋根の棟中央に越屋根を載せ、建築面積は109㎡です。二か所の入口から石段で地階の浴場へ下り、中央に岩盤を刳り抜いた深さ約1.3mの大浴槽を据えます。上部は吹き抜けです。本館は昭和16年(1941)の木造三階建てで、南面に唐破風造の玄関を突き出し、その上を楼閣風に造って入母屋屋根を架けています。唐破風の本館と、装飾を排した石の湯屋。格式と湯治の実用が、一つの敷地に並んでいます。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、5軒のなかでもっとも温泉そのものへの言及が多く、料理、浴場全般、露天風呂がそれに続きます。湯を目的に訪れる客が多い宿だと読めます。一方で、客室の古さや室温への指摘も目立ちます。宿の案内でも、本館の和室の多くはトイレと洗面が付かない造りです。建物の古さを湯と価格帯が補っている、というのが集計から見える構図です。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    自然湧出の湯に浸かることを目的にする人、湯治部で長く滞在したい人、宮沢賢治ゆかりの地を訪ねる旅
  • 向かない:
    混浴を避けたい人(白猿の湯は女性専用の時間帯以外は混浴)、客室に水回りを求める人(本館の多くの和室はトイレ・洗面なし)、足腰に不安のある人(石段と立ち湯)

具体情報

  • アクセス: JR花巻駅から約19km・車で約25分、新花巻駅から約35分。両駅を経由する予約制の送迎シャトルバスあり
  • 湯屋: 白猿の湯 昭和前期築、木造地上1階地下1階・寄棟造・鉄板葺、建築面積109㎡
  • 本館: 1941年(昭和16)築、木造三階建て、建築面積607㎡。唐破風造の玄関
  • 文化財: 本館と白猿の湯が2026年2月10日付で国の登録有形文化財に
  • 浴場: 館内4浴場(白猿の湯・桂の湯・白糸の湯・銀の湯)、すべて源泉100%かけ流し
  • 駐車場: 先着60台まで無料(湯治部は第2駐車場)


5. 小谷温泉 山田旅館 — 長野県小谷村・小谷温泉

露天風呂の上屋を大正15年に洋風の浴室へ改めた元湯。脱衣室には格天井を張り、畳を敷いています。標高850mの湯治場です。

木造6棟が登録有形文化財の一軒宿。


小谷温泉 山田旅館 — 長野県小谷村中土 · 「小谷温泉 元湯」の扁額を掲げた浴室棟の入口と木の天井
PHOTO: 小谷温泉 山田旅館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

登録記録によると、浴室は長屋の西妻面に接続して建ち、創建時は露天風呂を覆う簡素な上屋でした。それを大正15年(1926)に改築し、浴室内を洋風に造っています。外観は切妻造の2階建て、建築面積は96㎡です。宿の説明では、浴槽は100年以上変わらず、ケヤキの観音開きの入口も当時のままです。令和3年に地元の徳武棟梁が改装した際、脱衣室は格天井の畳敷きになりました。格天井という書院の語彙を、湯上がりの座敷として湯屋の内に取り込んだ例です。

集約レビューの傾向

この宿は予約を電話のみで受けているため、本稿で集計した公開レビューデータの母数は、ほかの4軒より小さくなります。そのため、傾向を断定することは控えます。宿自身は、自家源泉2本の湯を加水・加温せずに掛け流していること、そして木造の客室では音や振動が響くことを、あらかじめ明記しています。湯と建物の古さを、そのまま受け取る客のための宿だと言えます。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    湯治や自炊で長く滞在したい人、雨飾山に登る前後の一泊、大正の木造三階「新館」と湯屋を合わせて見たい人
  • 向かない:
    カード決済やネット予約を前提にする人(現金のみ・電話予約のみ)、客室にトイレを求める人(大正館は各階共同。トイレ付きは平成築の別館)、冬に車で訪ねる人(林道の通行止めが多い)

具体情報

  • アクセス: JR大糸線 南小谷駅から村営バスで約35分、「山田旅館前」下車。12〜3月はバスが約2km手前の大凪下止まりのため、事前連絡で送迎
  • チェックイン: 15:00〜17:00 / アウト 7:00〜10:00
  • 湯屋: 浴室 1926年(大正15)改築、木造2階建・切妻造・鉄板葺、建築面積96㎡
  • 浴場: 元湯(高さ2mの打たせ湯あり、通年)と外湯の展望風呂(11月4日〜4月20日は閉鎖)
  • 客室棟: 江戸期の本館、大正3年(1914)築の木造三階「新館」(棟梁 山岸市太郎)、平成元年築の別館など
  • 予約: 電話のみ、3か月前から受付。支払いは現金のみ


5 軒を並べて見えること

5 軒の湯屋は、社寺の語彙との距離で三つに分けられます。新井旅館は、円柱と虹梁で湯屋そのものを仏堂に仕立てました。三河屋旅館と藤三旅館は、唐破風を玄関に集め、湯屋は越屋根や中庭で性能を優先しています。花屋と山田旅館は、格天井を広間や脱衣室という「湯の外側」に置きました。格式を表す意匠は湯気の届かない場所に集められ、湯気の立つ場所では換気と素材が優先される。大正から昭和戦前の温泉宿は、その棲み分けで湯屋を組み立てていたと読めます。

よくある質問

Q. 湯屋を見に行くなら、どの季節が合いますか?

A. 立冬から立春にかけてが合います。湯気が立ちやすく、木部や石の陰影も深くなります。ただし山田旅館は冬期に外湯を閉じ、バスも手前止まりになります。藤三旅館も雪道の運転を前提に計画してください。

Q. 文化財の浴場には、宿泊しなくても入れますか?

A. 宿によって異なります。山田旅館は元湯を10:00〜15:00に立ち寄り湯として開いています。藤三旅館にも日帰り入浴の案内があります。時間と料金は各宿の公式サイトで確かめてください。

Q. 混浴や入浴時間の制約はありますか?

A. 藤三旅館の白猿の湯は、女性専用の時間帯を除いて混浴です。花屋の大理石風呂と若草風呂は、時間帯で男女が入れ替わります。

Q. 子連れでも泊まれますか?

A. 泊まることはできますが、木造棟は音が響きやすく、藤三旅館の立ち湯は平均の深さが1.25mあります。三河屋旅館は、外湯「森の湯」を宿泊者に無料で開放しています(おむつの取れていない子どもは浴槽を利用できません)。

Q. 予約で注意する点は?

A. 山田旅館は電話予約のみで、支払いは現金です。花屋は部屋ごとに間取りが異なるため、棟と部屋番号を確かめてから予約すると、泊まる建物の年代を選べます。

本記事の参考情報

編集部から

湯屋の文化財を訪ねる記事は、これまでも書いてきました。今回は、唐破風と格天井という二つの語彙が、湯屋に対してどこに置かれたかに的を絞りました。竣工年は、登録記録と各宿の公式情報で確かめられたものだけを載せています。そのため、名の知れた湯屋でも、年代が外れるものや客に開かれていないものは選んでいません。次は、昭和戦後に社寺建築の技法を湯屋へ持ち込んだ例を、同じ方法で並べてみるつもりです。唐破風の車寄をくぐって湯へ向かうとき、どこで格式が途切れ、湯気の領分が始まるのか。それを確かめに行くのも、湯屋の宿の過ごし方です。

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