箱根で設計者や意匠が公式に示されている宿として、掲載価格の中央値が低い順に4軒を選んだ。掲載価格(1泊2名・税込)は下位25%¥41,800〜上位25%¥198,700で、4軒とも11月が最も高い。

仙石原の森に渡辺明設計のハーフドームが建つ「箱根リトリート före」と、同じ敷地の離れ「villa 1/f」。強羅の高台で既存の建物をフルリノベーションした「KÚON 箱根強羅」と、出版取次の保養所を本のホテルに改めた「箱根本箱」。建築と客室の広さ、そして当社が集計した掲載価格で並べている。

この記事の要点

  • 掲載価格の中央値はföreの¥56,200が最も低く、villa 1/fの¥139,600が最も高い(2026年7〜12月)。
  • 4軒とも11月が最も高い月。最も低いのはföre・KÚON・villa 1/fが7月、箱根本箱が9月。
  • 4軒とも土曜泊が最も高く、木曜前後の平日泊が低い。föreは水曜と土曜で中央値に約¥39,000の差。
  • 設計者が公表されているのはföre(渡辺明)、villa 1/fのいぶきエリア(片桐和也)、KÚON(インテリア・永井健太)。
  • 客室の広さはKÚONの32㎡からvilla 1/fの180㎡まで。

箱根のデザインホテル、料金の目安はいくら?

箱根のデザインホテル4軒 掲載価格帯 — 出典: メトロエンジンリサーチ (OTA 価格分析)
グラフの数値を表で見る
項目下位25%上位25%
före(仙石原)¥41,800¥86,800
KÚON 箱根強羅¥55,600¥93,900
箱根本箱¥71,100¥101,600
villa 1/f(仙石原)¥104,100¥198,700

4軒の掲載価格帯(下位25%〜上位25%)を並べると、仙石原のföreが¥41,800〜¥86,800、強羅のKÚONが¥55,600〜¥93,900、箱根本箱が¥71,100〜¥101,600、villa 1/fが¥104,100〜¥198,700。同じ敷地に建つföreとvilla 1/fでは、中央値で2倍以上の開きがある。いずれも宿ごとの最安プランの価格で、食事の条件は宿とプランによって異なる。

# ホテル エリア 客室 掲載価格帯 安い月 口コミで多い話題 特徴
1 箱根リトリート före 仙石原 37 ¥42k–¥87k 7月・8月 料理の味(3〜4割) 1996年、渡辺明設計のハーフドーム型の建物。客室は27〜109㎡
2 KÚON 箱根強羅 強羅 14 ¥56k–¥94k 7月・8月 — 2025年11月開業。永井健太(negu inc.)が内装を手がけ、全室にかけ流し温泉
3 箱根本箱 強羅 18 ¥71k–¥102k 9月・7月 料理の味(4〜5割) 約1.2万冊の本棚が館内を貫く。全室に温泉露天風呂と選書の本箱
4 箱根リトリート villa 1/f 仙石原 18棟 ¥104k–¥199k 7月・8月 お風呂(3〜4割) 80〜180㎡の独立ヴィラ18棟。いぶきエリアは2025年度グッドデザイン賞
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます


1. 箱根リトリート före — 箱根町仙石原

仙石原の森に1996年、建築家・渡辺明が建てたハーフドーム。全37室、薪ストーブ付きの客室もある。

掲載価格 ¥41,800–¥86,800 / 泊(2名1室・税込、2026年7〜12月) 37室

箱根リトリート före — 箱根町仙石原 · 1996年に渡辺明が設計した、ガラス壁面のハーフドーム型の建物
写真: 箱根リトリート före 公式サイトより — 公式サイトを見る →

建築と意匠

設計
渡辺明(渡辺明設計事務所)
竣工・改装
1996年
素材・意匠
森の中に浮かぶハーフドーム型の建物。大きなガラス壁面に周囲の森が映り込む
客室数
37室(4タイプ)
客室の広さ
スーペリアツイン27㎡/デラックスダブル49.01〜53.78㎡/フォーレスイート109㎡

なぜ選んだか

公式サイトは、1996年に建築家・渡辺明の手で生まれた建物としてföreを紹介している。説明には代表作「二期倶楽部」にも通じる美学とあり、ハーフドーム型の棟は大きなガラス壁面に森の色を映す。客室は27㎡から、2寝室と薪ストーブを備えた109㎡のスイートまで4タイプ。4軒で掲載価格の中央値が最も低い。

データで見ると

  • 掲載価格の中央値は¥56,200。安いのは7月(中央値¥38,200)と8月、高いのは11月(¥86,800)
  • 曜日別では水曜泊の中央値¥47,500が最も低く、土曜泊は¥86,800
  • 公開レビューデータを集計した評価は4.0〜4.5(1,000件以上)
  • 口コミでは料理の味に触れたものが3〜4割、スタッフの対応が2〜3割、コーヒー・お茶が1〜2割

向く人 / 向かない人

  • 向く: 建築家の作品に泊まりたい人/平日に1泊で仙石原の美術館を回る旅程/薪ストーブのある客室で過ごしたい冬の旅
  • 向かない: 客室で温泉に入りたい旅程(温泉は敷地内の大浴場「ONSEN f」)

具体情報

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116
  • アクセス: 箱根湯本駅から箱根登山バス約23分「俵石・ガラスの森」下車、徒歩約5分
  • チェックイン15:00/チェックアウト11:00
  • 客室: 全室禁煙、テレビなし。薪ストーブ付きはデラックスダブルの2階7室とフォーレスイート
  • 食事: 薪火料理「WOODSIDE dining」、料亭「俵石」
  • 駐車場: 45台(宿泊者無料)

もう一歩深く

公式サイトの紹介では、渡辺明(1938〜2010年)は竹中工務店を経て1980年に設計事務所を設立。二期倶楽部で東京建築賞最優秀賞(1988年)、W-HOUSEで日本建築学会作品賞(2002年)を受けた。

föreが建つ敷地は、大正3年(1914年)に開業した温泉旅館「俵石閣」の跡でもある。数寄屋造りの旧館は料亭「俵石」となり、網代天井や透かし彫りの欄間、大正硝子が残ると公式サイトは記す。1990年代のガラスのドームと大正期の数寄屋を、ひとつの敷地で見比べられる。


2. KÚON 箱根強羅 — 箱根町強羅

既存の建物をnegu inc.が再構築した全14室。大浴場はティーラウンジに変わり、温泉は全室に引かれた。

掲載価格 ¥55,600–¥93,900 / 泊(2名1室・税込、2026年7〜12月) 14室

KÚON 箱根強羅 — 箱根町強羅 · 麻のカーテンと低いソファを置いた、negu inc.の内装による客室
写真: KÚON 箱根強羅 公式サイトより — 公式サイトを見る →

建築と意匠

設計
インテリアデザイン: 永井健太(negu inc.)によるフルリノベーション
竣工・改装
2025年11月8日開業
素材・意匠
既存の大浴場を改装してティーラウンジに再構築。特注の家具を配し、全室にかけ流し温泉
客室数
14室(スタンダード10室・コンセプト4室)
客室の広さ
32㎡(スタンダード)/42㎡(コンセプト、露天風呂付き)

なぜ選んだか

オープンハウスグループが初めて直営で手がけたホテルで、コンセプトは「お茶と和菓子で五感をひらく、唯一無二のデザイナーズホテル」(開業時の発表)。デザイナーの永井健太をはじめとするnegu inc.が既存の建物をフルリノベーションし、各客室にかけ流しの温泉を設ける代わりに大浴場を「tea lounge」へ改めた。公式サイトは、デザインアワード「FRAME Awards 2026」ホテル部門のShortlist選出も伝えている。

データで見ると

  • 掲載価格の中央値は¥73,800。安いのは7月(中央値¥44,100)と8月、高いのは11月(¥93,000)
  • 曜日別では木曜泊の中央値¥67,500が最も低く、土曜泊は¥91,900

向く人 / 向かない人

  • 向く: 客室の温泉で静かに過ごしたい2人旅/日本茶と和菓子の時間を旅の軸に置きたい人/開業間もない改修建築を見たい人
  • 向かない: 3名以上の旅程(定員は1室2名まで)/駅から歩いて着きたい旅程(強羅駅からタクシー約5分、送迎なし)

具体情報

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1322-32
  • アクセス: 強羅駅からタクシー約5分。バスは「早雲山上」から徒歩5分
  • チェックイン13:00/チェックアウト10:00
  • 客室: 全14室禁煙、全室にかけ流し温泉、テレビなし
  • 食事: 茶や和菓子のエッセンスを取り入れたフレンチのコース、朝食は自家製豆富のお粥
  • 駐車場: あり(予約不要、地下駐車場あり)


3. 箱根本箱 — 箱根町強羅

出版取次・日販の保養所を改めたブックホテル。館内の約1.2万冊はすべて購入でき、全18室に温泉露天風呂が付く。

掲載価格 ¥71,100–¥101,600 / 泊(2名1室・税込、2026年7〜12月) 18室

箱根本箱 — 箱根町強羅 · 吹き抜けの壁一面に本棚と階段が続く、約1.2万冊を置くラウンジ
写真: 箱根本箱 公式サイトより — 公式サイトを見る →

建築と意匠

竣工・改装
2018年8月開業(日販の保養所「あしかり」を改装)
素材・意匠
新刊・古書・洋書あわせて約1.2万冊の本棚。全室に温泉露天風呂と選書による「あの人の本箱」が付き、客室ごとにインテリアが異なる
客室数
18室(7タイプ)

なぜ選んだか

日販の保養所「あしかり」を全面的に改め、2018年8月に開業した。日販と、里山十帖を手がける自遊人がともに関わる施設である。公式サイトは「本はインテリアではありません」と書き、館内の本をすべて購入できる「本をコンセプトにしたホテル」と位置づける。選書は衣・食・住・遊・休・知の6ジャンルを中心に組まれ、ラウンジやレストラン、ショップとシームレスに「本のある暮らし」を提案すると公式は説明する。設計者の名は公式に示されていないが、本棚を空間の骨格に据えた構成で選んだ。

データで見ると

  • 掲載価格の中央値は¥86,300。安いのは9月(中央値¥70,800)と7月、高いのは11月(¥110,200)
  • 曜日別では木曜泊の中央値¥76,500が最も低く、土曜泊は¥101,700
  • 公開レビューデータを集計した評価は4.5以上(300〜1,000件)
  • 口コミでは料理の味に触れたものが4〜5割、スタッフの対応が2〜3割、客室の静けさが1〜2割

向く人 / 向かない人

  • 向く: 本を読み、選び、持ち帰る時間を旅の目的にする人/客室露天と2種の泉質の大浴場を両方使いたい人/一人で考えごとをする週末
  • 向かない: 小学校高学年未満の子ども連れの旅程(公式は原則として宿泊を遠慮すると案内)

具体情報

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-491
  • アクセス: 箱根登山ケーブルカー「中強羅駅」から徒歩5分
  • チェックイン15:00/チェックアウト11:00
  • 客室: 全室温泉露天風呂付き、テレビなし
  • 大浴場: 男女別の大浴場・露天風呂。強羅温泉の無色透明の湯と、大涌谷温泉から引いた白濁の硫黄泉
  • 食事: 朝食・夕食とも1階のレストラン(「東海道」をテーマにした自然派イタリアン)


4. 箱根リトリート villa 1/f — 箱根町仙石原

1万5,000坪の敷地に独立したヴィラ18棟。80〜180㎡の各棟に薪ストーブと温泉を備える。

掲載価格 ¥104,100–¥198,700 / 泊(2名1室・税込、2026年7〜12月) 18棟

箱根リトリート villa 1/f — 箱根町仙石原 · 薪ストーブと石張りの壁、庭に開く大開口を持つヴィラの居間
写真: 箱根リトリート villa 1/f 公式サイトより — 公式サイトを見る →

建築と意匠

設計
いぶきエリア: 片桐和也(ONEデザインズ株式会社)
竣工・改装
2024年8月に新たに7棟が完成(公式発表)
素材・意匠
ログハウスのヴィラに簡易キッチン、薪ストーブ、露天風呂または半露天の温泉。いぶきエリアは長く伸びた軒を持つ平屋屋根の棟や、斜面に沿って段々に部屋が連なる棟
客室数
18棟
客室の広さ
80〜180㎡

なぜ選んだか

föreと同じ仙石原の敷地に、一棟ずつ独立したヴィラが点在する。新しく加わった「いぶき」エリアは2025年度グッドデザイン賞を受賞し、公式の発表は片桐和也(ONEデザインズ)をデザイナーとして紹介している。審査委員の評価として挙げられたのは開口部の設け方で、隣の棟と視線が交わらないよう窓を庭や森の方向にだけ開いた点である。4軒で最も高い価格帯で、客室も最も広い。

データで見ると

  • 掲載価格の中央値は¥139,600。安いのは7月(中央値¥85,900)と8月、高いのは11月(¥213,100)
  • 曜日別では木曜泊の中央値¥115,800が最も低く、土曜泊は¥191,000
  • 公開レビューデータを集計した評価は4.5以上(1,000件以上)
  • 口コミではお風呂に触れたものが3〜4割、料理の味とスタッフの対応がそれぞれ2〜3割

向く人 / 向かない人

  • 向く: 一棟を独占して連泊したい人/2世代や友人同士で広い棟を使う旅(棟により定員は2〜4名、12・13号棟の連結で最大7名)/愛犬と泊まりたい人(14号棟)
  • 向かない: 1室あたりの予算を抑えたい旅程(同じ敷地のföreが中央値で約¥83,000低い)

具体情報

  • 所在地: 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116(föreと同じ敷地)
  • アクセス: 「俵石・ガラスの森」バス停から徒歩約5分
  • チェックイン15:00/チェックアウト11:00
  • 客室: 全室禁煙。80㎡の温泉スイートから180㎡の木立温泉スイート(庭苑付)まで
  • 食事: 料亭「俵石」(大正3年開業の旧俵石閣の建物)、薪火料理「WOODSIDE dining」
  • 駐車場: 45台(宿泊者無料、föreと共用)


4軒の料金が下がるのは何月・何曜日?

2026年7〜12月の月別中央値を並べると、4軒とも11月が最も高い。紅葉の時期にあたる11月と、最も低い月との差はföreで約¥48,600、villa 1/fで約¥127,200に及ぶ。最も低いのはföre・KÚON・villa 1/fが7月、箱根本箱が9月だった。

月(2026年) före KÚON 箱根強羅 箱根本箱 villa 1/f
7月 ¥38,200 ¥44,100 ¥73,300 ¥85,900
8月 ¥41,800 ¥54,500 ¥84,300 ¥115,800
9月 ¥50,800 ¥70,500 ¥70,800 ¥125,400
10月 ¥68,400 ¥86,600 ¥89,000 ¥198,700
11月 ¥86,800 ¥93,000 ¥110,200 ¥213,100
12月 ¥72,000 ¥73,800 ¥83,600 ¥141,100

曜日では、4軒とも土曜泊の中央値が最も高い。最も低いのはföreが水曜泊(¥47,500)、KÚON・箱根本箱・villa 1/fが木曜泊で、土曜泊との差はKÚONで約¥24,400、箱根本箱で約¥25,200、villa 1/fで約¥75,200。建築を見に行く旅を平日に組めるなら、同じ宿でも支払額は変わる。

よくある質問

Q. 箱根のデザインホテルで、設計者が公表されている宿は?

A. この4軒では、箱根リトリート föreが建築家・渡辺明の設計(1996年)、villa 1/fのいぶきエリアが片桐和也(ONEデザインズ)のデザイン、KÚON 箱根強羅が永井健太(negu inc.)によるインテリアデザインと、それぞれ公式に示されている。

Q. 4軒の料金がいちばん下がるのはいつ?

A. 2026年7〜12月の掲載価格では、före・KÚON・villa 1/fが7月、箱根本箱が9月に中央値が最も低い。7月のföreは中央値¥38,200。4軒とも11月が最も高く、曜日では土曜泊が最も高い。

Q. 客室がいちばん広いのはどこ?

A. villa 1/fで、各棟80〜180㎡。föreはデラックスダブルが49.01〜53.78㎡、フォーレスイートが109㎡。KÚONは32㎡と42㎡の2タイプで、すべてツイン、定員は2名まで。

Q. 客室に温泉が付くのは?

A. KÚON 箱根強羅は全14室にかけ流し温泉(コンセプトルーム4室は露天風呂)、箱根本箱は全18室に温泉露天風呂、villa 1/fは各棟に温泉を備える。föreの温泉は敷地内の大浴場「ONSEN f」で利用する。

本記事の参考情報

データの見方(集計方法)

  • 価格: 2名1室・1泊あたりの掲載料金(税込)。食事条件・プランを問わない各宿の最安値で、各宿・各宿泊日について空室ありで掲載されていた最後の時点の料金(OTAに掲載された販売価格・税込。実際の予約金額・プラン条件とは異なることがあります)。掲載価格帯は下位25%〜上位25%、表の月別・曜日別は中央値
  • 対象: 神奈川県箱根町のデザインホテル 4施設(N=4)。設計者・意匠が公式サイトや公式発表で確認できる宿から選んだ
  • 並び順: 2026年7〜12月の掲載価格の中央値が低い順
  • 期間: 2026年7月1日〜12月31日の宿泊日(2026年10月24日時点の掲載価格)
  • 口コミ: 直近24か月に投稿された口コミのうち、各テーマに触れた口コミの割合(10%刻みの範囲)。評価点と件数は公開されている口コミの集計。(評価点・件数は2026年10月24日時点の公開値の集計。口コミ30件未満の施設は非表示)
  • 出典: メトロエンジンリサーチ (OTA 価格分析)
  • 注意: 料金は予約サイトに掲載された料金で、実際の予約時の料金(クーポン・会員割引など)とは異なることがある。これから先の宿泊日の料金は2026年10月24日時点の掲載料金で、今後変わることがある。食事の有無・内容は宿とプランによって異なり、4軒の価格は同じ条件の比較ではない。客室数・面積・設計者は各宿の公式サイトと公式発表による

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