京都市
造作で固める宿 5軒 — 作り付け家具と移動家具の境を、設計者はどこに引いているか
客室の家具を壁と一体の造作で固めるか、独立した一脚として置くか。窓辺ベンチ、寝台プラットフォーム、framing joineryで空間を構成する5軒——HOTEL THE MITSUI KYOTO、MUNI KYOTO、アマン東京、node hotel、TRUNK(HOTEL)。
床の間に何を掛けるか — 季節で軸を替える宿 5軒、客室の正面に置かれる一幅の編集
床の間の掛軸を季節で替える高級旅館を5軒。京都・俵屋旅館から箱根・強羅花壇まで、客室の正面に据える一幅の選び方から、設えの作家性を読む。
香を焚くという設計 — 空薫・聞香・伽羅、宿が客の到着前に焚き染める一筋
客が部屋に通される前に焚き終える空薫。沈香・白檀・伽羅の選択と、畳・襖・通気がそれをどう保つか。香を主題に、京都の俵屋旅館・吉田山荘、金沢の浅田屋という三軒の高級旅館を読むエッセイ。
京都・東山から左京、土壁の塗りを残す数寄屋宿 5軒 — 中塗り・上塗り・大津磨き
京都の東山から左京を歩く。土壁の左官工程(中塗り・上塗り・大津磨き)の意匠を残す数寄屋宿 5 軒を、編集部が地図動線とともに選定。
俵屋旅館 — 京都・麸屋町、三世紀続く町家旅館の中庭と数寄屋を、滞在動線から読む
宝永年間創業、十八室の数寄屋造。麸屋町通から客室・坪庭までの折れ曲がる動線と、歴代当主が積んだ意匠の層を、町家旅館の形式として読む。
布で選ぶ宿——織元・染色家・テキスタイルデザイナーの仕事が入る5軒
客室のカーテン、ソファの張地、ベッドスローに、織元・染色家・テキスタイルデザイナーの仕事が明確に入る5軒。西陣織〈細尾〉、ミナ ペルホネン、柚木沙弥郎——素材と色が空間の温度をどう決めるかを読む。
陰翳を残す宿 — 谷崎が惜しんだ薄暗がりを、現代の照明計画はどう設計し直すか
明るさを足し続けた近代照明への反動として、あえて照度を落とし陰翳を残す宿が現れている。谷崎『陰翳礼讃』の薄暗がりを現代の調光計画でどう設計し直すか、べにや無何有・あさば・俵屋旅館の三軒を例に論じる。
夏の浴衣という制度 — 麻と綿、藍と白、宿が梅雨明けに揃える着替えの編集
梅雨明けに宿が浴衣を入れ替える、その編集判断を読む。俵屋旅館・扉温泉 明神館・由布院 玉の湯・料理旅館 金沢茶屋。麻と綿、藍と白の選択に宿の美意識があらわれる。
中村好文設計の宿 5軒 — 家具と建築のあいだに置かれた、住宅作家の宿仕事
住宅作家・中村好文の宿仕事を 5 軒。京都の京町家 2 軒、千葉房総の蔵、五島の廃校、大阪のビジネスホテル客室。住宅の語彙で組み立てられた宿の系譜を、家具と建築のあいだから読む。
障子と簾 — 夏の宿で建具が入れ替わるという作法
京都の老舗旅館では梅雨明けに襖や障子が外され、簾戸(すど)と葦戸(よしど)に差し替えられる。年に二度、宿が姿を変えるという作法を、俵屋旅館・柊家・奈良の旅館 江泉を作中参照しながら、建築の側から読み直す短いエッセイ。