越後湯沢から南魚沼、十日町にかけての豪雪地で、雪に対する構えを建物そのものに残す宿として、編集部が選んだのは ryugon、里山十帖、松之山温泉 凌雲閣、貝掛温泉、湯元 眺望閣 湯居間蔵の5軒です。気象庁の観測では、最深積雪の記録は湯沢で358cm、十日町で391cm。この土地の宿は、まず雪の荷重を受ける器として建てられてきました。太い欅の梁、雪の重みで曲がった材を活かす小屋組、町家の雁木。本稿ではゲレンデとの距離を脇に置き、移築された庄屋の館から戦前の木造三階建までを、気候条件への応答として読み直します。冬至前後、根雪が落ち着く頃が、建物の輪郭を最もよく見せる時季です。
| # | 宿 | エリア | 客室 | 目安価格 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ryugon | 南魚沼市・坂戸 | 約30 | ¥61–¥135k | 約200年前の庄屋・豪農の館を移築、中門造と外廊下 |
| 2 | 里山十帖 | 南魚沼市・大沢山温泉 | 13 | ¥91–¥156k | 築約150年の総欅・総漆塗りの母屋、全13室 |
| 3 | 松之山温泉 凌雲閣 | 十日町市・松之山温泉 | 17 | ¥33–¥44k | 1938年築・木造三階建の本館が登録有形文化財 |
| 4 | 貝掛温泉 | 湯沢町・三俣 | 22 | ¥48–¥53k | 明治2年築の本棟を残す木造二階建、国立公園内の一軒宿 |
| 5 | 湯元 眺望閣 湯居間蔵 | 湯沢町・湯元 | 5 | — | 全5室、築三百年の民家の梁・柱を移築した客室 |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。湯元 眺望閣 湯居間蔵は集計に足る標本がないため掲載していません。
室数・築年・積雪の記録
5軒の建物の来歴と、土地の積雪の記録を一枚にまとめます。築年と移築の経緯は各宿の公式情報、最深積雪は気象庁の観測点(湯沢・十日町)の統計開始以来の記録です。南魚沼市内には気象庁の積雪観測点がないため、宿の公表値か最寄りの湯沢の値を添えました。なお、延床面積を公表している宿は5軒のなかになく、本稿では扱っていません。
| 宿 | 客室 | 築年・来歴 | 最深積雪の記録(観測点) |
|---|---|---|---|
| ryugon | 約30 | 文化文政期(1804〜1829年)の館を移築/2019年改修 | 観測点なし(宿の公表は毎冬2m超) |
| 里山十帖 | 13 | 母屋は築約150年/2014年5月開業 | 観測点なし(最寄りの湯沢で358cm) |
| 松之山温泉 凌雲閣 | 17 | 本館 1938年(昭和13年)築 | 十日町で391cm(1981年2月) |
| 貝掛温泉 | 22 | 本棟 1869年(明治2年)築/玄関棟 1993年/離れ 2022年 | 湯沢で358cm(2006年1月) |
| 湯元 眺望閣 湯居間蔵 | 5 | 客室「天々」に築約300年の民家の梁・柱を移築 | 湯沢で358cm(2006年1月) |
雪国の建築を読むための五つの語
宿を見る前に、この土地の建物を語る語彙を整理しておきます。雪国の建築は、意匠より先に荷重と動線の問題として組み立てられています。
- 中門造(ちゅうもんづくり): 母屋から中門と呼ぶ突出部を張り出す、東北から新潟にかけての民家形式。出入口や厩を母屋とひと続きにし、雪の季節も屋内で行き来できる。ryugon の移築棟に残る。
- 雁木(がんぎ): 通りに面した家々が庇を連ね、2mを超える積雪でも歩く幅を確保する屋根付きの通路。ryugon は改修でこれを外廊下に読み替えた。
- チョウナ梁: 雪の重みで根元から曲がって育った材を、曲がりのまま梁に用いたもの。屋根の荷重を受ける雪国の木取りで、ryugon の客室で確かめられる。
- 雪囲い: 根雪の前に、建物の開口部や庭木を板や縄で囲い、積雪と落雪の圧力から守る冬支度。晩秋の宿では、その作業の跡が外観の一部になる。
- 消雪パイプ: 地下水を路面に散水して雪を融かす設備。魚沼の道路では冬の標準的な風景で、路面が赤茶けて見えることがあるのは、水に含まれる鉄分による。
1. ryugon — 南魚沼市・坂戸
文化文政期の庄屋と豪農の館を移築した棟が連なる。雁木を外廊下に読み替えた、雪国建築の再編集。
約30室、古民家を移築した旅館。
目安価格 ¥61,000–¥135,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
坂戸山の麓に、約200年前の文化文政期に建てられた庄屋や豪農の館を移築した棟が並びます。母屋から中門を突き出す「中門造」、居間と書院を駕籠のまま行き来できる「篭通し」といった越後の民家形式が、いまも客室と回廊の骨格です。2019年の改修は蘆田暢人が設計を担い、ヴィラスイートへ続く内廊下の壁を外して外廊下に変えました。町家の雁木に着想した判断で、雪を避けるのではなく雪の脇を歩かせる。編集部が本稿の筆頭に推す理由はここにあります。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、食事と接客、客室の広さ、ラウンジの使い勝手に評価が集まります。館内に居場所が多いことが、滞在時間の長い旅程と相性がよいと読めます。一方で、冬の客室の温度や古材の匂い、大浴場の規模については評価が割れる傾向があります。宿自身も木造ゆえに隣室や廊下の音が響くと明記しており、移築民家に泊まることの条件として受け取っておくべき点です。
向く人 / 向かない人
-
向く:
雪国の民家形式を空間として確かめたい人、館内で長く過ごす二泊以上の旅程、夕食の有無を日ごとに選びたい滞在 -
向かない:
遮音と室温の安定を最優先する人(木造の移築棟で音が伝わる)、駅から歩いて完結させたい旅程(六日町駅から徒歩18分)、大浴場の広さを宿選びの軸にする人
具体情報
- 最寄り駅: JR上越線・ほくほく線 六日町駅から徒歩 18 分(タクシー 4 分)。越後湯沢駅西口前の姉妹宿から 15:15 発の定時送迎あり
- 車: 関越自動車道 六日町ICから 8 分(3.6km)
- 客室サイズ: Villa Suite 55〜92 ㎡ / Classic 31〜42 ㎡
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜12:00
- 食事: 夕食はダイニングでのコース、朝食はハーフビュッフェ。夕食なしの滞在も選べる
- 建物: 文化文政期(1804〜1829年)の庄屋・豪農の館を移築。本館は登録文化財。2019年に ryugon として改修
- 浴場: 米蔵を移築した木造平屋・土蔵造りの大浴場(六日町温泉)
2. 里山十帖 — 南魚沼市・大沢山温泉
築約150年、総欅・総漆塗りの古民家。豪雪を受けてきた黒い梁の下に、北欧の椅子を置いた一軒。
13室、古民家を再生した温泉宿。
目安価格 ¥91,000–¥156,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
玄関とロビー、食事処を収めるレセプション棟は築約150年。この地域でも数の少ない総欅・総漆塗りの古民家で、宿は「豪雪に耐えてきた黒光りする梁と柱」と記しています。断面の大きな欅材は、屋根に載る雪の荷重を受けるための寸法と読めます。そこにアルネ・ヤコブセンのエッグチェアやイサム・ノグチのAKARIを置き、構造材の重さと家具の軽さを対置させた。宿泊棟はかつての秘湯の宿の木造建物を改修したもので、全13室にとどめています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、食事への評価が最も厚く、里山の自然環境、巻機山を望む露天風呂、接客が続きます。料理を目的に据える宿として受け取られていることが読み取れます。一方で、価格水準に対する受け止めは分かれ、館内の段差や水回りへの指摘も一定数見られます。宿自身が「高齢者に優しい建物ではない」と書いているとおり、古い木造を使い続けることの条件です。
向く人 / 向かない人
-
向く:
料理を旅の主目的に据える二人旅、古民家の構造材と近代家具の取り合わせを見たい人、冬の山道を四輪駆動車かタクシーで越えられる旅程 -
向かない:
小学校高学年未満の子ども連れ(原則として受け入れていない)、階段や段差を避けたい人(棟間を長い廊下と階段で結ぶ)、足音や振動に敏感な人(木造で階下に響く)
具体情報
- 最寄り駅: JR上越線 大沢駅から無料送迎(予約制、チェックイン時 14:30 駅発の 1 本)。越後湯沢駅からは定額タクシーの手配が可能
- 車: 関越自動車道 塩沢石打ICから大沢山温泉まで県道で約 10 分。冬は最後の数百メートルで四輪駆動車が必要な日がある
- 客室数: 13 室(うち離れ 1 室)
- チェックイン: 15:00〜(夕食付きの最終は 18:30) / アウト 〜11:00
- 食事: 夕食は完全二部制。朝夕ともダイニングで提供
- 建物: レセプション棟は築約150年の総欅・総漆塗り。宿としての開業は2014年5月
- 浴場: 大沢山温泉の露天風呂「天の川」
3. 松之山温泉 凌雲閣 — 十日町市・松之山温泉
昭和13年築の木造三階建。渋川の宮大工が一人一室を受け持ち、意匠を競った登録有形文化財の宿。
17室、木造三階建の温泉旅館。
目安価格 ¥33,000–¥44,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
本館は昭和13年に建てられた木造三階建で、平成17年に登録有形文化財となりました。初代の主が上州渋川から宮大工を呼び寄せ、一人に一室を任せて技を競わせたため、14室ある本館和室は一つとして同じ造りがありません。傘を張ったような天井、将棋盤や碁盤を嵌めた天井、黒砂利を敷いた踏込み。冬ごとに深い雪が載る土地で、木造三階が90年近く使われ続けていること自体が、この建物の構造を語っています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、評価の中心は湯にあります。塩分の濃い浅緑色の「鏡の湯」の泉質と、地のものを使った食事が支持を集めています。一方で、設備の古さ、水回りの使い勝手、価格との釣り合いについては評価が分かれます。本館はトイレと洗面所が各階中央の共用で、この点は予約前に承知しておくべき条件です。文化財の客室に泊まることを目的にできるかどうかで、受け止めが変わる宿と言えます。
向く人 / 向かない人
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向く:
戦前の木造三階建と宮大工の意匠を客室で確かめたい人、濃い塩化物泉を目当てにする湯治寄りの滞在、大地の芸術祭の作品を巡る旅程 -
向かない:
客室内にトイレ・洗面を求める人(本館は各階共用。新館3室はバス・トイレ付き)、到着が夕方以降になる旅程(チェックインは18:00まで、駅送迎は1便)、築浅の設備を前提にする人
具体情報
- 最寄り駅: 北越急行ほくほく線 まつだい駅から無料送迎(要予約、15:21 着の列車に合わせた 1 便)。越後湯沢駅からまつだい駅まで約 40 分
- 車: 関越自動車道 塩沢石打ICから国道353号・117号経由で約 60 分
- 客室数: 17 室(本館和室 14 / 新館和室 2・洋室 1。新館は鉄筋コンクリート造)
- チェックイン: 15:00〜18:00 / アウト 9:00〜10:00
- 建物: 本館は1938年(昭和13年)築の木造三階建。2005年(平成17年)に登録有形文化財
- 浴場: 大浴場・中浴場(時間帯で男女入替)、家族風呂(内鍵式、追加料金なし)
- その他: 日本秘湯を守る会の会員宿。本館中央に少人数用のエレベーターあり
4. 貝掛温泉 — 湯沢町・三俣
明治2年築の本棟を芯に、木造二階建を継ぎ足してきた一軒宿。橋を一本渡った先、清津川の谷にある。
22室、木造二階建の一軒宿。
目安価格 ¥48,000–¥53,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
建物は木造二階建で、本棟が明治2年築、玄関棟が平成5年築、離れが令和4年築。150年余りのあいだに三つの時代の棟を継いできた構成です。急な貝掛坂を下り、幅の狭い貝掛橋を渡った先の一軒宿で、上信越高原国立公園内の約9,000坪の敷地を持ちます。昭和10年の洪水で一度は廃業し、昭和30年に復興、橋とダムが整ったのは昭和42年。雪と水の両方に向き合ってきた来歴が、谷底という立地の選び方に表れています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、評価の柱は湯です。体温に近いぬる湯に長く浸かる入り方、露天風呂、泉質への支持が厚く、食事と接客がそれに続きます。一方で、湯の温度は好みが分かれ、寒い時季にはぬるさが気になるという傾向も読み取れます。坂と橋を経る立地、車の取り回しへの指摘も見られます。江戸期から「目の温泉」として知られた湯治場の性格を、そのまま受け取れる人に向く一軒です。
向く人 / 向かない人
-
向く:
ぬる湯に時間をかけて浸かる滞在、明治期の木造棟に泊まりたい人、苗場・かぐら方面と組み合わせる冬の旅程 -
向かない:
熱い湯を好む人(源泉は約37℃。加温した浴槽は別にある)、冬に路線バスと徒歩で着きたい旅程(バス停からの道は冬期歩行不可)、遅い到着になる旅程(チェックインは18:00まで)
具体情報
- 最寄り駅: JR越後湯沢駅西口からタクシーで約 18 分。東口から路線バス約 23 分、貝掛温泉バス停から徒歩 9 分(冬期は雪道のため歩行不可)
- 車: 関越自動車道 湯沢ICから 12km・約 15 分
- チェックイン: 14:00〜18:00 / アウト 〜10:00
- 食事: 南魚沼産コシヒカリと季節の食材による夕食・朝食
- 建物: 木造二階建。本棟 明治2年築 / 玄関棟 平成5年築 / 離れ 令和4年築
- 敷地: 約 9,000 坪(上信越高原国立公園内)
- その他: 日本秘湯を守る会の発足時からの会員宿
5. 湯元 眺望閣 湯居間蔵 — 湯沢町・湯元
全5室。築三百年の越後の民家から移した梁と柱を、メゾネットの客室に組み直した湯元の小宿。
5室、蔵を象徴に据えた小宿。

なぜ選ばれるか
越後湯沢の温泉街を見下ろす湯元の高台に、蔵を象徴として据えた全5室の宿があります。客室「天々」は、築三百年の越後の民家から移した梁と柱を使い、一階を畳の居間、二階を板間の寝室とするメゾネット。厚みのある古材が室内の造形をそのまま決めています。5室のうち4室が二層で、どの客室にも専用の風呂が付きます。雪見障子を備えた客室「暖々」もあり、積雪期の光を室内へ引き込む建具の扱いに、この土地の住まいの作法が残ります。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、件数は本稿の他の4軒より少ないものの、総合評価は高い水準にあります。室数を5に絞った運営と、客室ごとに風呂を持つ構成が、静かに過ごしたい滞在に合うと受け取られていると読めます。一方で、大浴場を持たないこと、利用が13歳以上に限られることは、旅の形によっては合いません。集計に足る価格の標本が得られなかったため、本稿では目安価格を掲げていません。
向く人 / 向かない人
-
向く:
越後湯沢駅から近い範囲で古材の空間に泊まりたい二人旅、客室の風呂だけで完結させたい滞在、全館禁煙の静かな宿を探す人 -
向かない:
13歳未満の子どもを連れた旅(利用は13歳以上・2名から)、大浴場や湯めぐりを楽しみたい人(大浴場はない)、喫煙する人(全館禁煙)
具体情報
- 最寄り駅: JR越後湯沢駅の北西、直線で約 1.5km。湯元の高台にある
- 客室数: 5 室(天々・暖々・悠々・楽々・空々。定員は各 4 名、悠々のみ 3 名)
- 客室構成: 4 室が一階居間・二階寝室のメゾネット、空々のみ同一階。全室に専用の風呂
- チェックイン: 15:00〜(アウトの時刻は予約時に確認)
- 食事: 食事処「食楽KURA」で提供。朝食は和食・洋食から選ぶ
- 利用条件: 13 歳以上・2 名から。全館禁煙
よくある質問
Q. 雪国の建築を見るなら、いつ泊まるのがよいですか?
A. 編集部が推すのは、根雪が落ち着く12月下旬から2月です。梁や庇が雪の荷重を受けている状態を確かめられます。湯沢の最深積雪の上位記録は1月下旬から2月に多く出ています。雪囲いの作業を見るなら11月、屋根の形を読むなら雪のない季節が向きます。
Q. 冬のアクセスで注意する点は?
A. 上越新幹線の越後湯沢駅が起点になります。ryugon は六日町駅からタクシー4分、凌雲閣はほくほく線まつだい駅から送迎、貝掛温泉は冬期にバス停からの徒歩ができずタクシーが前提です。里山十帖は最後の数百メートルで四輪駆動車が必要な日があります。車の場合は冬用タイヤが欠かせません。
Q. 予約はいつ頃から動くべきですか?
A. 貝掛温泉は3か月前から予約を受け付けており、湯居間蔵も3か月前の開始です。5室や13室といった小規模な宿は一日に受けられる組数が限られます。積雪期の週末や年末年始に泊まるなら、秋のうちに日程を固めておくのが現実的です。
Q. 子ども連れでも泊まれますか?
A. ryugon は子どもの利用を制限していません。里山十帖は原則として小学校高学年未満を受け入れておらず、利用できる客室も限られます。湯居間蔵は13歳以上が条件です。貝掛温泉は木造で音が響くため、廊下を走らないなどの配慮が求められます。
Q. 古い木造の宿で、設備面の不便はありますか?
A. あります。凌雲閣の本館はトイレと洗面所が各階共用、里山十帖は段差と階段が多く、ryugon と貝掛温泉は隣室や廊下の音が伝わります。いずれも宿が自ら明記している条件です。文化財や移築民家に泊まることと引き換えの制約として、予約前に確かめておくべき点です。
本記事の参考情報
・気象庁 過去の気象データ: 湯沢(新潟県)観測史上1〜10位の値 — 最深積雪の記録
・気象庁 過去の気象データ: 十日町(新潟県)観測史上1〜10位の値 — 最深積雪の記録
・雪国観光圏 — 湯沢町・南魚沼市・十日町市を含む7市町村の雪国文化
・十日町市観光協会 — 松之山温泉と越後妻有の観光情報
編集部から
5軒に通底するのは、雪を消す技術ではなく、雪を受ける建物を使い続けているという一点です。移築された庄屋の館、総欅の母屋、戦前の木造三階建、明治の湯治棟、古材を組み直した小宿。規模も価格も異なりますが、いずれも建物が先にあり、宿の営みがそれに合わせて形を決めています。同じ5軒を、雪のない6月に訪ねれば、屋根の勾配や軒の出がむき出しになり、別の読み方ができるはずです。雪国の宿は、雪があるときとないとき、どちらの姿を先に見ておくべきでしょうか。